森喜朗前首相が会長を務める文部科学省所管の財団法人「世界青少年 交流協会」(東京都千代田区)が、5年間にわたり国の補助金計約2億5000万円を不正に受け取っていた疑いが強まり、警視庁捜査二課は4日までに、補助金適正化法違反などの疑いで同協会事務所を家宅捜索した。
警視庁に詐欺容疑で逮捕された同協会副会長の元弁護士、鈴木弘喜容疑者(67)らが、表の帳簿とは別に、日本自転車振興会(日自振)などからの補助金不正受給など、実際の金のやりとりを示す“裏帳簿”を作成していたことが18日、分かった。
鈴木容疑者らは、日自振から補助金約1230万円を詐取した容疑で逮捕された。同協会をめぐっては、文科省から5年間に約4億8000万円の補助金と委託金を不正に受け取った疑いも判明している。
財団法人世界青少年交流協会
1969年に設立された文部科学省所管の財団法人。世界各国へ日本の学生を派遣し、海外から学生を受け入れる交流事業を実施している。米国やドイツ、中国など10カ国以上の友好団体と、小中学生や大学生らの相互交流をしているほか、途上国からの青年招聘(しょうへい)事業も実施。「日本自転車振興会」などの団体からも助成金を受けている。会長は森喜朗前首相。川崎二郎元運輸相が常務理事、額賀福志郎自民党政調会長らが理事を務めている。(2004/9 Sankei) |