[3009] 原子力発電の実態
|
- 日時: 2018/06/17 00:14
- 名前: 天橋立の愚痴人間
ID:cGtejPbo
- 福島原発事故以来7年が経ちます。
のどもと過ぎれば何とやらで、最近は原発再稼働についても気持ちが緩み、どんどんと再稼働を許しています。
もう少し原発の実態を、こころして認識しなければなりません。 ウラン燃料を使う発電は発電の為の経費が大変安く、この以上ない発電方式とされ、安価な電力を得るためのエースと考え、世界中が受け入れてきました。 世界で443基の原発が稼働しています。 アメリカが一番多く、99基 フランスが 58基で続き 日本は42基(51基)で3番目の原発大国です。
ところで安価と言われた原発ですが、福島の事故処理には何兆円いるか解りません。 また40年くらいで耐用年数が切れる原発の廃炉にも10兆円くらい必要です。 使用済み核燃料の処理も、未だに決まっていません。 何十万年も隔離しなければならない廃棄物の保管など、幾らの経費がかかるか解りません。
福島の様に事故でも起こせば大変です。 原子力発電は決して安価な発電方式ではなかったのです。
原発事故の影響は、チェルノブイリ、福島の例でも大変なもので復旧は不可能は不可能とも言えるでしょう。 具体的な被害、被害予測は後にして、まず今までの原発事故の概要を見てみましょう。
原発事故については、国際原子力事象評価尺度(INES))が、原子力事故・故障の評価の尺度を決めています。 それによると、
■レベル7→深刻な事故 (事業所外への影響) 放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出 (事業所) 原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能 (事故の例) チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年) 福島第一原子力発電所事故(暫定[3]、2011年)
■レベル6→大事故 (事業所外への影響) 放射性物質のかなりの外部放出:ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出 (事業所) 原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷 (事故の例) フォールズSL-1炉爆発事故(1961年) 東海村JCO臨界事故(1999年) フルーリュス放射性物質研究所ガス漏れ事故(2008年)等
■レベル5→事業所外へリスクを伴う事故 (事業所外への影響) 放射性物質の限定的な外部放出:ヨウ素131等価で数百から数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出 (事業所) 原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷 (事故の例) チョーク・リバー研究所原子炉爆発事故(1952年) ウィンズケール原子炉火災事故(1957年) スリーマイル島原子力発電所事故(1979年) ゴイアニア被曝事故(1987年)
■レベル4→事業所外へは大きなリスクを伴わない事故 (事業所外への影響) 放射性物質の少量の外部放出:法定限度を超える程度(数ミリシーベルト)の公衆被曝 (事業所) 原子炉の炉心や放射性物質障壁のかなりの損傷/従業員の致死量被曝 (事故の例) フォールズSL-1炉爆発事故(1961年) 東海村JCO臨界事故(1999年) フルーリュス放射性物質研究所ガス漏れ事故(2008年)等
■レベル3→重大な異常事象 (事業所外への影響) 放射性物質の極めて少量の外部放出:法定限度の10分の1を超える程度(10分の数ミリシーベルト)の公衆被曝 (事業所) 重大な放射性物質による汚染/急性の放射線障害を生じる従業員被曝 (事故の例) 動燃東海事業所火災 爆発事故(1997年) 東北地方太平洋沖地震によって福島第二原子力発電所で起こったトラブル(暫定[4]2011年)
■レベル2→異常事象 (事業所外への影響) 特に無し (事業所) かなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量当量限度を超える従業員被曝 (事故の例) 関西電力美浜発電所2号機・蒸気発生器伝熱管損傷(1991年)等
■レベル1→逸脱 (事業所外への影響) 特に無し (事業所) 特に無し (事故の例) 「もんじゅ」ナトリウム漏 洩(1995年) 関西電力美浜発電所3号機・2次冷却水配管蒸気噴出(2004年)等
福島もそうですが、メルトダウン(炉心溶融)となる事故は、今までに5回起きています。
1966年 フェルミ1号炉事故(アメリカ合衆国) 1969年 リュサン原子力発電所事故(スイス) 1979年 スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ合衆国) 1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故(ソビエト連邦、現・ウクライナ) 2011年 福島第一原子力発電所事故(日本)
このうち、チェルノブイリと福島がレベル7の事故と規定されています。
その他に主な原発事故として次のものがあります。
1940年代 1945年8月21日 デーモン・コア事故(アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロスアラモス) 1946年5月21日 デーモン・コア事故(アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロスアラモス) 1950年代 1952年12月12日 チョーク・リバー研究所、原子炉爆発事故(カナダ、オンタリオ州)/INESレベル5 1958年5月24日 チョーク・リバー研究所、燃料損傷(カナダ、オンタリオ州)/INESレベル? 1957年9月29日 ウラル核惨事(ソ連、現ロシア)/INESレベル6 1957年10月7日 ウィンズケール原子炉火災事故(イギリス)/INESレベル5 - ウィンズケール施設は現在のセラフィールド施設 1958年10月25日 臨界暴走、人員の被ばく(ユーゴスラビア(現セルビア)、ヴィニツァ)/INESレベル? 1958年12月30日 ロスアラモス臨界事故(アメリカ合衆国ニューメキシコ州)/INESレベル? 1959年7月26日 サンタスザーナ野外実験所、部分的炉心溶融(アメリカ合衆国カリフォルニア州)/INESレベル? 1960年代 1960年4月3日 ウェスチングハウス社実験炉、炉心溶融(アメリカ合衆国ペンシルベニア州)/INESレベル? 1961年1月3日 SL-1爆発事故/INESレベル4 1964年7月24日 ウッドリバー臨界事故(アメリカ合衆国ロードアイランド州)/INESレベル? 1966年10月5日 エンリコ・フェルミ炉炉心溶融(アメリカ合衆国ミシガン州)/INESレベル? 1966-1967年冬(日付不詳) ソ連初の原子力砕氷船レーニン、冷却材喪失事故(場所不詳)/INESレベル? 1967年5月 チャペルクロス原子力発電所、部分的炉心溶融(スコットランド)/INESレベル? 1969年1月21日 実験炉の爆発事故(スイス、ヴォー州)/INESレベル? 1970年代 1975年12月7日 グライフスヴァルト発電所1号機の火災(東ドイツ、現ドイツ)/INESレベル3 1977年2月22日 ボフニチェ発電所(en:Bohunice Nuclear Power Plant)A1炉の燃料溶融事故(チェコスロバキア、現スロバキア)/INESレベル4 1979年3月28日 スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ合衆国ペンシルベニア州)/INESレベル5 1980年代 1980年3月13日 サン=ローラン=デ=ゾー原子力発電所2号機の燃料溶融、放射性物質漏洩事故(フランス、オルレアン)/INESレベル4 1981年3月 敦賀原子力発電所(福井県)、放射性物質を日本海に放出、作業員超過被曝/INESレベル2 1983年9月23日 臨界事故(アルゼンチン、ブエノスアイレス)/INESレベル4 1986年4月26日 チェルノブイリ原子力発電所事故(ウクライナ)/INESレベル7 1986年5月4日 en:THTR-300燃料損傷事故(西ドイツ、現ドイツHamm-Uentrop)/INESレベル? 1987年9月 ゴイアニア被曝事故(ブラジル)/INESレベル5 1989年10月19日 バンデリョス原子力発電所、タービン火災(スペイン)/INESレベル3 1990年代 1991年2月9日 美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱細管破断/INESレベル2 1991年4月4日 浜岡原子力発電所3号機原子炉給水量減少/INESレベル2 1993年4月6日 セヴェルスク(トムスク-7)、爆発事故(ロシア連邦トムスク州)/INESレベル4 1995年12月8日 もんじゅナトリウム漏洩火災事故/INESレベル1 1997年3月11日 動燃東海事業所火災爆発事故/INESレベル3 1999年6月18日 志賀原子力発電所1号機、臨界事故/INESレベル2 1999年9月30日 東海村JCO臨界事故/INESレベル4 2000年代 2003年4月10日 パクシュ原子力発電所、燃料損傷(ハンガリー)/INESレベル3 2004年8月9日 関西電力美浜原子力発電所3号機・2次冷却水配管蒸気噴出/INESレベル1[1] 2005年4月19日 セラフィールド再処理施設、放射性物質漏洩(イギリス)/INESレベル3 2005年11月 ブレイドウッド原子力施設(en:Braidwood Nuclear Generating Station)での放射性物質漏洩(アメリカ合衆国イリノイ州)/INESレベル? 2006年3月6日 アーウィン(アメリカ合衆国テネシー州)での放射性物質漏洩/INESレベル2 2006年3月11日 フルーリュス放射性物質研究所ガス漏れ事故(ベルギー)/INESレベル4 2010年代 2011年3月11日 福島第一原子力発電所事故/INESレベル7 2011年3月11日 福島第二原子力発電所冷却機能一時喪失/INESレベル3 2011年3月18日 東海第二発電所非常用ディーゼル発電機用海水ポンプの自動停止/INESレベル1 2011年3月29日 女川原子力発電所原子炉補機冷却水ポンプ等の故障/INESレベル2[2] 2012年2月6日 カットノン原子力発電所欠陥建築(フランス)/INESレベル2[3] 2012年2月9日 古里原子力発電所全電源喪失(韓国)/INESレベル2[4] 2012年9月6日 東海再処理施設冷却機能一時喪失/INESレベル1[5] 2013年5月23日 J-PARC放射性同位体漏洩事故/INESレベル1[6] 2017年6月6日 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター被曝事故/INESレベル2(暫定評価)
この様に原発事故はかなり多く起きていて決して絶対安全なものとは言えません。
ここでメルトダウンした事故の様子を説明しましょう。
>フェルミ1号基事故(アメリカ)
1966年10月5日に、炉心溶融を起こした。事故の原因は炉内の流路に張り付けた耐熱板が剥がれて冷却材の流路を閉塞したためである。原子炉の炉心溶融事故が実際に発生した最初の例とされている。
また、蒸気発生器では伝熱管破損および溶接不良によるトラブルが発生した。
後に炉心融解事故について書かれたドキュメンタリーのタイトルは、『我々はデトロイトを失うところであった』。
>リュサン原子力発電所事故(スイス)
1969年1月21日 スイスのボー州リュサン(Lucens)の研究用ガス冷却地下原子炉での冷却材喪失事故で、炉心燃料が一部溶融、放射性物質が洞窟内に漏れた。その後地下水経由での環境中への放射性物質流出が続いている。
>スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ合衆国)
スリーマイル島原子力発電所事故(スリーマイルとうげんしりょくはつでんしょじこ、英: Three Mile Island accident)は、1979年3月28日、アメリカ合衆国東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所で発生した重大な原子力事故。スリーマイル島 (Three Mile Island) の頭文字をとってTMI事故とも略称される。原子炉冷却材喪失事故 (Loss Of Coolant Accident, LOCA) に分類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故 (Severe Accident) である。国際原子力事象評価尺度 (INES) においてレベル5の事例である。
2次系の脱塩塔のイオン交換樹脂を再生するために移送する作業が続けられていたが、この移送鞄管に樹脂が詰まり、作業は難航していた。この時に、樹脂移送用の水が、弁等を制御する計装用空気系に混入したために、異常を検知した脱塩塔出入口の弁が閉じ、この結果主給水ポンプが停止し、ほとんど同時にタービンが停止した。 二次冷却水の給水ポンプが止まったため、蒸気発生器への二次冷却水の供給が行われず、除熱が出来ないことになり、一次冷却系を含む炉心の圧力が上昇し加圧器逃し安全弁が開いた。
このとき弁が開いたまま固着し圧力が下がってもなお弁が開いたままとなり、蒸気の形で大量の原子炉冷却材が失われていった。加圧器逃し安全弁が熱により開いたまま固着してしまったのである。原子炉は自動的にスクラム(緊急時に制御棒を炉心に全部入れ、核反応を停止させる)し非常用炉心冷却装置 (ECCS) が動作したが、すでに原子炉内の圧力が低下していて冷却水が沸騰しておりボイド(蒸気泡)が水位計に流入して指示を押し上げたため加圧器水位計が正しい水位を示さなかった。このため運転員が冷却水過剰と誤判断し、非常用炉心冷却装置は手動で停止されてしまう。
このあと一次系の給水ポンプも停止されてしまったため、結局2時間20分開いたままになっていた安全弁から500トンの冷却水が流出し、炉心上部3分の2が蒸気中にむき出しとなり、崩壊熱によって燃料棒が破損した。このため周辺住民の大規模避難が行われた。運転員による給水回復措置が取られ、事故は終息した。
結局、炉心溶融(メルトダウン)で、燃料の45%、62トンが溶融し、うち20トンが原子炉圧力容器の底に溜まった[1]。 給水回復の急激な冷却によって、炉心溶解が予想より大きかったとされている。
周辺地域への影響 放出された放射性物質は希ガス(ヘリウム、アルゴン、キセノン等)が大半で約92.5 PBq(250万キュリー)。ヨウ素は約555GBq(15キュリー)に過ぎない。セシウムは放出されなかった。周辺住民の被曝は0.01 - 1mSv程度とされる(後述)。この被害は1957年に起きたイギリスのウィンズケール原子炉火災事故に次ぐ。
人体への影響 米国原子力学会は、公式発表された放出値を用いて、「発電所から10マイル以内に住む住民の平均被曝量は8ミリレムであり、個人単位でも100ミリレムを超える者はいない。8ミリレムは胸部X線検査とほぼ同じで、100ミリレムは米国民が1年で受ける平均自然放射線量のおよそ三分の一だ」としている(1ミリレムは0.01mSv)。
放射性降下物による健康への影響に関する初期の科学的文献は、こうした放出値に基づいて、発電所の周辺10マイルの地域におけるガンによる死者の増加数は1人か2人と推定している[6][信頼性要検証]。10マイル圏外の死亡率が調査されたことはない[6]。1980年代になると、健康被害に関する伝聞報告に基づいて地元での運動が活発化し、科学的調査への委託につながったが、一連の調査によって事故が健康に有意な影響を与えたという結論は出なかった。
(続く)

|
|