世にも不思議な物語 ( No.582 ) |
- 日時: 2013/09/03 07:58
- 名前: 満天下有人
- 昔のスレッド投稿より転載
日時: 2010/11/04 21:24 名前: 満天下有人
「その2」 ・・・世にも不思議な物語・・・間もなく今年も終わり、年末を迎えようとする時、実に不思議なお話が次から次へと現れたこの1年。最も不思議なことは、この政権が言い、それに期待したこととは裏腹の実に奇妙な物語が、この国の現世で絶え間なく語られるということでしょう・・・更に不思議なことは、それがフイクションなのか現実なのか、何ともはや境目が朦朧となっているそんな状況を、誰も変えることが出来ないということでしょう。
・・・でも、何とかせねばと、少しづつではありましょうが民衆の間に、幽霊の足元を照らして、正体を潰す灯も点火され始めたようで御座居ます。
・・・ドラマではフイクションの奇妙な世界が語られるのですが、菅政権でのそれは、現実の話なのです・・・奇妙で不思議なドラマが絶えない・・・ちょっと言葉を変えて、世にも不思議な「菅物語」とでも言いましょうか・・・あれこれ不思議な物語が多すぎて、シナリオライターがどこかに居るようにも感じるのですが、芝居を演じる役者本人たちも、もうどれがどのストリーだったか、訳が分からなくなっているやにも感じられる昨今で御座います。
・・・タモリが物語を繋ぐオムニバス形式のドラマ、世にも奇妙な物語の第一話は「厭な扉」というもので、大変面白う御座居ました・・・
順調に会社生活を送っていたサラリーマンがある日突然、家族も友人も仕事にも生きる希望を失ってホームレスになる、そこへ謎の老人が現れてある部屋の鍵を渡しながら、こう言う。
・・・あなた、世の中には不滅の幸福というものがあることを知らないのか、幸福とは何ぞや、不幸とは何ぞや・・・幸福とは不幸であった者が感じるものであり、幸福であった者が感じるのが、不幸と言うものなのだ・・・だが不滅の幸福というものがあるのだ、その扉を開く鍵をあなたにあげても良い・・・
そこでそのサラリーマン主人公氏、ものは試しと、老人から預かった鍵を持ってあるホテルのある部屋を開ける・・・そこには見知らぬ富豪が居て主人公氏は彼を殺し、巨額の財産が入っているカバンを持ち逃げして、それを元手に巨財を築く・・・
ある日、幸福になった場所であるあのホテルの一室が懐かしくなって、鍵を開けてデスクに座ると、別の鍵で入って来た男がいる、よく見ると、貧しかった頃の自分なのだ・・・そして元の自分に自分が殺されてしまい、そしてその自分が幸福を手に入れる・・・つまり幸福が延々と続くというお話。
・・・これ何だか昨今の、交代したとは言え政財官の世界にも通じる物語り。民は他の幸福を求めているのに、自民利権が壊れても同じ政治権力が現れて、また同じようなことをやって彼らの幸福が続く・・
・・・それを倒すには、別の、つまり民衆が倒すしかない、ところがそれを選んだのもその民衆という不思議な物語なのですね。
検察の悪どももさることながら、もっと不思議なお話は、政治的に公平であれという放送法なる公共の法規律があっても、日本マスコミなる不思議な生き物が、そんなことにお構いなしで民衆をミスリードして来た結果、世論調査にせよ何にせよ、実に不思議な話、つまりフイクションで捏造されたものが現実を差配している・・・不思議なお話を絶つには、現実と違う物語を捏造するヤツラを潰す慧眼と行動が、最も大事ということになって、それ以外に手段は無いので御座居ます。』
これ3年前の投稿なのだが、<自民利権が壊れても同じ政治権力が現れて>、そして詐欺民主党が崩壊して別の新しいものが出た訳でも無く、結局1/4だけの民衆意向によって昔の仲間が大手を振って権力の座に復活。矛盾だらけの事をやっても、それが彼らの幸福を継続させておれば、問題なし、そんな状況が続いているだけなのです。
明治の陽明学者・安岡正篤の名言「世の中、黒からず白からず、何事も御もっともでは、いよいよ世の中が乱れて来る」が、秋風と共に身に沁みて来ます。白か黒かの最も基本的な倫理道徳さえも分からぬような世の中では、生存が継続できる筈もありません。民衆の白黒判別の能力が失せてしまえば、もう「国」というものさえ不要となる。まさかそのような状態を求める為に、自由を標榜している訳でも無いのだろうが、しかし無反応な世の動きの中で続発する信じられないような事件を見ていると、そんな気分にも襲われる。
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世にも不思議な物語(2) ( No.583 ) |
- 日時: 2013/09/03 20:52
- 名前: 満天下有人
- 〇上空から見た事故原発の垂れ流し汚泥水、海上に長々と黒い帯がくっきりと見える。
先日の漁民と東電側の会談模様、漁民の怒りはすさまじく、当然の光景だ。凍土遮水壁設置も、東電は決算に影響するから着手しなかったのではないかとの詰問に、はっきりしない東電。怒った住民数人が東電社長を検察に告発したようだ。
前首相・菅直人も告発されていたが、菅は検察の事情聴取を逃げまくり、逃げてしまった。
シンゾーは今日、国の責任において前面に出て対策を講じると・・・史上最大の凍土遮水壁を張り巡らすと言うが、これとて完璧なものかどうか、やって見ないと分からないらしい。総額470億円かかり、予算予備費から支出するという。
原発事故に対する予算措置について、既に発行された原子力損害賠償支援機構国債が一昨年で4兆4400億円発行され、昨年では3兆2500億円。これは損害賠償だけの為にあるもので、どうやら事故後の対処費は別のものらしい。そして復興予算として計上された19兆円は、自衛隊の米国委託教育費他で約100億円、税務署改修費にクジラ調査費等々への流用、枚挙に暇がない。 この財源の一部として我々は、所得税年2.1%25年間増税、個人住民税は10年間、年1000円負担を既に実施されているのだ。
今頃いかにも政府が前面に出るなどと勿体ぶり、予算も苦しい中で出すと言わぬばかりの勿体ぶっている事の背景を、国民はもっと認識すべきである。
東電社長が告発されるのは当然のことだが、それ以前に、最も告発されるべきは誰なのか、民間企業に責任をヘッジする誤魔化しに騙されてはいけない。原発再開を唱え、海外原発輸出に釈迦力になるこいつらが、そもそも汚染水に真剣に取り組まなかったそれ自体が、最も告発されるべきである。
〇そしてオリンピック開催には、シンゾー、猪瀬チンチクリンがこぶしを振り上げて絶対誘致と檄を飛ばしている。福島沖合に流れ出ている黒い汚水を見た海外諸国からは、これどう処理する積りだと一斉に批判の声が吹き上がっているのに、オリンピック誘致だ〜あっ!と息巻いている光景は、世にものんきな物語と言うより、やはり世にも不思議な光景である。
サンチアゴIOC総会決定に向けて、総会参加資格の無い都議会議員までが大挙して地球の裏側にまで出向く・・・都庁職員は実務上出席の必要があり、でも経費を始末して自己負担分はパッケージツアー20万円の枠で行くのに、都議会議員は税からお一人様200万円も使うらしい。
・・・久しぶりに世にも奇妙なスレッドを立てていたことを思い出し、今はどうかと思ったが、昔よりはるかに不思議で奇妙な現象が一気に増えている。ここまで増えると、もう奇妙でも不思議でも無いことなのかも知れないな・・・。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.584 ) |
- 日時: 2013/09/03 21:46
- 名前: 北の国から
- IOCの90人くらいの委員に、まともな見識と知能があるなら(どちらもあまり期待
できないでしょうが)、2020年に「TOKYO」などありえないはずです。 危険きわまりない放射能汚染水をもらしつづける事実に、見て見ぬふりを続け、やれ 「原発輸出セールス」「オリンピックの招致」など、信じられないことですが、もっと恐 ろしいのは、各マスコミが、そのことをまともに報道しないだけでなく「オリンピックの 経済効果」などを、もっともらしくふりまいていることです。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.585 ) |
- 日時: 2013/09/04 00:34
- 名前: 満天下有人
- 現実をねつ造する、この国独特のマスコミ、これらが最も不思議な生き物かもしれません。
原発事故処理のまずさで、東電批判の声が高まると、犯人をすりかえてしまうのですから。
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バブル再来を望むアメリカ(1) ( No.586 ) |
- 日時: 2013/09/04 17:37
- 名前: 満天下有人
- 昨夜NHK国谷弘子女史のクローズアップ現代で、リーマンショック後の米金融資本の動向が取り上げられていた。
へ〜、JPモルガンがまた6千億円もの穴をあけていたとは、驚きだった。FRBがあのリーマンショクで破綻しかかった金融資本に対し、超金融緩和で救済している最中のことである。
どうして同じことが起こるのか、原因はやはりオバマによる金融規制法に穴が開いており、そこを金融資本がうまく利用したということだ。そして金融の規制は微妙な問題をも含んでいる。金融をあまりがんじがらめに縛ると、出かかっている経済の芽まで摘んでしまう危険がある。しかしそれは一般的な論であり、軍事産業以外にめぼしいものが無く、金融立国のアメリカでの金融規制は、ドルが基軸通貨であることと重なってアメリカ経済の動力にブレーキをかけるものだとの認識が根強いことに原因がある。
バブル再来を望んでいるのは金融資本だけではない、住宅価格がほぼリーマンショック以前の水準に戻っており、サンフランシスコ住宅地には一般庶民が群がり始めている。そして一様に投資の為に住宅を探していると言う。ここに人間に内在する通貨と経済の扱いの難しさが見えるのです。これが嵩じると国民国家もろとも、何のことはないその国民の犠牲において崩壊してしまうのです・・・安倍&黒田新総裁は根本を変えずにその手法をチョッピリ利用しようとしているに過ぎない。少し長くなりますがご存じない方の為に歴史を振り返ると・・・
バブルとオカネの関係は取り敢えず横におくとして、世界史における三大バブルは、オランダのチューリップバブル、英国の南海泡沫事件、そしてアメリカとて例外ではない。ミシシッピー計画バブルがある。
18世紀初頭にカードバクチの天才と言われたジョン・ローなる男が居た。各地を転々として乱費に明け暮れて財政が破綻していたルイ14世王朝のフランスにやって来て、錬金術で財政を救ったことで有名である。そして破綻して放逐されてしまったことでも有名である。当時のフランス財政は、今で言うGDPが15億リーブルに対し国債借金残高が30億リーブル、今の我が国とそっくりだったのです(笑)。
財政構造が現代とは全く違い、絶対王政の時代で、国王が国家収入の基礎となる徴税権を担保に国債を発行し、通貨発行権も持つ・・・一般の富裕金融家が徴税を請け負い歳出は宮廷が勝手に使うという構造・・・今の我が国の構造で言えば、官僚どもが徴税権を持ちそして予算を決めるという構造も、これに似ている。そして分離されている通貨発行者を恫喝して、国債をじかに引き受けろという所も当時と似ている。
ルイ15世が幼少で摂政政治を行ったオルレアン公が、今で言う中央銀行総裁を兼ねて通貨と財政負債の解決に乗り出したのだが、何しろ歳入が1.5億リーブルしかないのに国債利払いだけで1.2億ルーブル・・・オカネの手品師と言われていたジョン・ローの噂を聞いて王室顧問にとりたてる。
ローは何をやったかというと、金融家が保有していた金銀の価値無効を宣言して、国中の金銀を国庫に集め、これを元に金銀保有率が従来より2割少ない貨幣を発行して財政借金を減らして行く。そしてロー銀行を設立して、税はロー銀行が発行した銀行券でないと払えない法律を作ってしまう。これは不換紙幣発行の原型になるものだが、一般庶民はこの紙幣に慣れて行く。
それでもルイ14世時代に積み上がっていた旧国債の処分=国王の負債は思うように減らない。そこでローが編み出したのが英国南海泡沫事件を参考にしたアメリカルイジアナ州におけるミシシッピー計画・・・当時の英国が既にインドで持っていたミシシッピー会社を買い取り、社名を西方会社に改めて本社をルイジアナに置いた・・・触れ込みは新天地アメリカルイジアナに眠ると詐称した鉱山資源開発。この西方会社の株はフランス国債でしか買えないものにされていた。当時のフランス国民は新天地アメリカでの儲けに夢をかけて、フランス国債をどんどん購入し(=王朝のジャンク国債が減少)、その国債で西方会社の株式を買う。
当初の配当率は40%。株価はあっと言う間に10倍の時価総額12億ルーブルに跳ね上がる。要するにジャンクルイ王朝が積み上げた借金国債は国民を経由して償却され、全部株式に置き換えられた構図です。フランス国民が乗ってしまった痛手はどういうことかと言えば、国債なら最後の責任は国家が保証している(これも究極の時点では幻想)のに対し、株式は紙切れになったら、損失は全部個々人が負わねばならない。
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バブル再来を望むアメリカ(1)文字訂正 ( No.587 ) |
- 日時: 2013/09/05 06:49
- 名前: 満天下有人
- 22行目:これを元に金銀の保有率が→「含有率が」に訂正。
さて投稿してもすぐに消えるのかな?少し間を空けて見ましょう。
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バブル再来を望むアメリカ(2) ( No.588 ) |
- 日時: 2013/09/05 09:01
- 名前: 満天下有人
- さて、ジョン・ローは味を占めて西方会社の増資にかかります。株数が増えれば株式の希薄化が起って、株価はその分下がるものなのです。加えて鉱山資源があると夢みたルイジアナ、本国からの出稼ぎ労働者は沼地の多いあの地域で過酷な生活を強いられていることが、徐々に噂となって株価は暴落して行く。バブルがはじけたと言う訳です。誰が得して誰が損したのでしょう。言うまでも無くジャンク債を処分出来た王朝と国は儲け、国債を株に乗り換えて文無しになった国民という構図です。文無しとは国家の負債を全部国民が肩代わりして上げたと言う事です。
実にうまいやり方です、しかし今ではそんな詐欺商法は通用しません、が、国の借金は最終的には国民が担保していると言う点では同じことです。まだ余裕がある国民金融資産額まで、国債を発行出来るからデフオルトにはならないと言う議論が、それです。
(横道ですが、どなたかが、日銀マネーサプライが1200兆円あると言うなら、1400兆円と言われる国民金融資産との兼ね合いはどうなるのかと、疑問を呈しておられたが、これは統計の見間違い。
今年3月末 日銀マネーストック 1,141兆円(信用の創造分含む) (07年に郵政民営化により郵貯預金が加算されてマネーサプライなる用語は廃止。代わりにマネーストックと呼称変更)
3月末国民金融資産:(信用の創造分含む) 家計部門1571兆円(内現金預金848兆円、証券保険年金準備金723兆円) 非金融法人部門842兆円(内現金預金225兆円、証券他617兆円) 地方含む一般政府部門503兆円(内現金預金45兆円、証券他463兆円) 国民金融資産の現金預金を合算すれば1,118兆円で、ほぼ日銀マネーストックと一致。
尚、現状統計は全て、あくまでも現状を把握する為のもので、それらが即=新たな制度に繋がるものではありません。そこから何かヒントを掴むと言うツールにはなっても。)
さてオルレアン公はジョン・ローに、紙幣通貨を増刷するにはどうしたら良いかを相談します。18世紀初頭ではまだ硬貨だけで紙幣は無く、ローのアイデアで先ず、ロー銀行券でないと税金は払えないようにして、庶民に紙幣通貨を馴染ませ、次にこれをフランス通貨にし、それを増刷する根拠をオルレアン公に提出。
今なら、何だそんなことかと当たり前に思われることが、当時では奇跡の発想と思われたのでしょう。 ローが進言したことは、国民はどうしても金の裏付けが無いと紙幣を信用しない。だが常時金兌換を求めるものでもない。よって王立銀行は僅かの金を準備(リザーブ)しておくだけで良い。そこでオルレアン公は従来の金貨発行額の16倍に及ぶ10億リーブルの紙幣を発行する。
これが現在では当たり前になっている。信用の創造とその派生であるデリバテイブ金融商品の原型がここにあると言う訳です。実物経済の拡大を狙ったものが(ローの発想が王室国債償却を意図したミシシッピー計画であったから、必ずしも実物経済の拡大を企図したものとも言えないが)を行う金融バブルを生む温床になって来た。
上記日銀統計における日銀ベースマネーと信用の創造を含む市中に出回っているマネーストックとの関係の原型が、ここにあるのです。ちなみに・・・
日銀ベースマネー:本年3月末 =日銀発行現金通貨+貨幣流通高+当座預金(法定準備金含む)=135兆円
マネーストックM3(郵貯を含む):上記の通り本年3月末1,141兆円
信用の創造=1,141÷135≒8.5倍・・・無限等比級数の理屈を貨幣乗数効果として把握。
理屈の上では銀行が顧客から預かった預金のうち(勿論融資を受けたものも含む)法定準備率を10%とした場合、残り90%が最終的には100%に戻るとして、次々に10%づつ預金されてそれぞれにまた90%づつ融資され・・・・・
日銀のベースマネーは3月末で135兆円です。これはジョンローの時代と違って紙幣の裏付けとなる「金」ではありません。が、法定通貨発行当局としては、通貨の信用を維持する一つの目安になります。黒田新金融政策ではこれを倍の270兆円まで増やすと言う訳です。
話が少し混み入って分かりにくくなりますが、この135兆円の内、日銀当座預金勘定は43.5兆円です。昨日の最新情報ではこれが、7月末で82兆円に急増しております。よく評論家たちが「当座預金を増やして資金を市中に供給する」という言い方をしますが、それは逆で、国債買いオペなどによって供給した資金が先ずあって、その結果として法定準備率10%ならその分が当座預金に積み上げられるということなのです。結果の目安であり、これによって金融を緩和するというものではありません。
この増加がブタ積になっているとの評価も、厳密に言うと、法定準備金の趣意は、顧客保護の意味合いがあります。例えば一般企業でも資本金勘定に法定準備金が必ず設定されている。これは企業が株主重視のあまり、業績と乖離した配当だけに専念されては、一般の債権者が保護されない、それを一部でもカバーしようと言う趣旨ですから、日銀法定準備金もただ金融緩和指標だけの意味を持つものでもありません。
ブタ積になっているかどうかは、正に上述の信用の創造の倍率で見ないと分かりません。例えば日銀ベースマネーが増えて、マネーストックとの比率=“回転率”でなく倍率が落ちていれば、資金需要が無いことの証明となり、金融緩和の効果はなかった、そういうことになります。
そしてこの法定準備金率を引き上げろということになると、逆に市中に供給したオカネを吸い上げることになり、金融緩和の意味が無くなってしまいます。オカネをぐるぐる回せば景気が良くなる訳ではありません。回るような元が無ければオカネは滞留してしまいます。景気過熱してオカネを吸い上げる、つまり糸で「引っ張り上げる」ことは出来ますが、さあオカネはたっぷり出したぞ、早く使えと言われても、使う先がなければオカネは動きません。つまり糸で「押す」ことは出来ない。八百屋に魚屋に企業に行って、さあオカネどんどん使ってくれと言っても、先が無ければ誰もオカネは使わないでしょう・・・
おや、日銀さんが最新の統計をメールしてくれたようです。その後のマネーストック数値を見ればブタ積が増えているかどうかの状況が分かります。後で検証してみます。これはあくまでも何か新しい指標を加えて新しい形を作るためのものでは無く、あくまでも現状分析するものです。そこに何を加えることが出来るかは、また別の問題として・・・。
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バブル再来を望むアメリカ(3) ( No.589 ) |
- 日時: 2013/09/05 13:09
- 名前: 満天下有人
- 日銀がメールしてくれた最新通貨データー。
7月末市中マネーストックM3 1,160兆円(3月末比 101.7%) 7月末日銀ベースマネー 170兆円 3月末比126%)
『信用の創出率』 3月末 8.5倍 7月末 6.8倍
あはは、オカネはたっぷり供給したけど、実質経済に必要な市中マネーストックの創出率は逆に減ってしまっている(笑)。 マネーストック自体の増加率は僅か1.7%なのだから推して知るべしで、何が景気回復の為の異次元金融緩和だというのか、オヘソが茶を沸かしてくれる。
要するに余剰通貨は株式市場などの投機市場に回ったか、売り国債の支えか新発国債引受に回っただけの話だ。そしてインタゲ2%の為に円安誘導しただけのこと。異次元金融緩和でも実質所得は減少しているのに原油コストや他の資材価格を上げて何が楽しいのか・・・
岩田日銀副総裁は、金融緩和の効果は1年以上経過しないと出て来ないと言うが、このままで1年経てば何がどうなって何が良くなると言うのか、さっぱり分からん(笑)。
超金融緩和で国債金利が跳ね上がった時、市中大手銀行は住宅ローンの金利を引き上げた。ところがこの引き上げが住宅需要に水を差したものだから、慌てて今月から0.2%引き下げに走っている。どこもかしこも出たとこ勝負みたいなその日暮らしみたいな政策しか取らない。
取らないと言うより、何も出来ないということだろう、今の政官財連中では。
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シリア狂想曲 ( No.590 ) |
- 日時: 2013/09/06 08:37
- 名前: 満天下有人
- 米上院外交委員会は、シリア攻撃オバマ意向を認めた。これで下院も攻撃許可を出すことだろう。
世界主要国ではほぼ攻撃反対の議会決議が優勢に見えるが、世界の警察官である米大統領としてはメンツ優先なのであろう、議会も警察国家優先の決議に出るようだ。
呼応してロシアプーチン大統領は、ならばシリア支援国イランにミサイルを渡すと言い出した。地上軍でなく先ずは空中を飛び交うミサイル戦の様相だ。
ミサイル製造世界一の軍事産業・レイセオンのあの巨大な巡航型ミサイル・トマホークが地上スレスレに飛んで行く映像、あれはイラク戦の時だったと記憶するが、湾岸戦争の時だったかも知れない、たまたまTVで見たのだが、肝をつぶすような光景であった。 最新型ではロッキードマーチン社の原潜から発射されるミサイル、トライデントが有名だが、これ一基3090万ドルもするらしい。約30億円か・・・今回オバマは地上軍派兵でなく地中海艦隊から攻撃すると言ってるからには、多分これが使用されるかもだ・・・
諸国バラバラの対応で世界は大騒ぎ、正にシリア狂想曲の観ありになって来た。
狂騒曲とは、特定の出来事に対して人々が大騒ぎする様子を描写する際に用いられる言葉だ。元は奇想曲でイタリア語でカプリッチョ、気まぐれと言う意味だそうな・・・本質を見失った議論になっていたことを皮肉って使われることが多い。 米国による攻撃は正義である、日本はこれを支持すると真っ先に息巻いていたシンゾー・・・昨夜のニュースでは韓国と共に攻撃賛否は保留すると姿勢が変わっていた。菅官房長官に自民石破幹事長も早速に参戦だと言わぬばかりの姿勢だったのに、こりゃまたどうしたことだ。
いや、攻撃に参加せよと煽っているのではない(笑)、どこかの指令で例によってフラフラする奴隷根性が出たのか。シンゾー/プーチン会談を見ていると、日露間で何か進展する別の材料があって、ロシアを怒らせるとまずいことでも出てきたのか。 ならば最初から、さあ盟友アメリカの出番だ、早速に支援しようなどとガキのような行動をするな!みっともないことおびただしい。内政、外交どの分野でも「カプリッチョ」が多過ぎはしないか・・・。
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また黒田日銀総裁のバカ発言 ( No.591 ) |
- 日時: 2013/09/07 07:08
- 名前: 満天下有人
- 世の動きを見て、笑っていたオヘソもさすがに怖くなったか、冷めてしまって、お茶も沸かさなくなっている。そこへクソバカ黒田総裁の発言が飛び出して、オヘソも一段と冷めようか、いや久しぶり笑ちゃおうか迷っている(笑)。
「消費税増税は決断すべきである。増税によって”景気が冷えたら”、一段と金融緩和を行う用意がある」
なんじゃこれ、やはり腹を抱えて笑ってしまう。つい昨日、日銀から最新の通貨データーを貰い、日銀がいくら通貨供給を増やしても、市中における通貨の量は全然増えていない、むしろ信用の創造率は8.5倍から6.8倍に下がっていると書いたばかりだ。たまたま市中銀行の窓口で話しする機会があって、世のマネーの使い方動向を聞いてみたが、オカネの使い量は全然増えていない、銀行員も超金融緩和については、さっぱり効果も無いと笑っていた。
机上の貨幣増加量で経済活性化を唱える古臭いと言うか、マネタリズムを未だに弄ぶ黒田などが中央銀行の総裁になるのだから、世も終わりである。そりゃそうだ、世を終わらせたくてしょうがいないとしか思えない政策しか出来ないシンゾーに取り立てられたのだから、アホに輪をかけたようなおっさんが総裁に座っても当然か・・・
ロイター報道ではロシアG20で麻生財務大臣は、日本の債務問題への危機感もあらためて強調。「財政均衡、正常化に引き続き努力しないといけない。国債が暴落して信用が落ちたとき、財務省も日銀も対応できない。そのことは常に考えないといけない」と述べているから、巨額の国債発行残高に対する恐怖感は、どうやら頭にあるようだ・・・
この麻生発言に黒田発言を対置させてみると、黒田が言う増税による「景気の腰折れ」に対する更なる支援とは、景気ではなく国債暴落に備えて国債を買い支えると言う意味になる。この連中は当初、デフレ脱却=景気が良くなると唱えて異次元緩和を始めた筈なのに、時間の経過と共に、何の為に異次元緩和をやったのか、その哲学の基本は何におかれているのか、見ている者は混乱して来る・・・
本音は、どうも超緩和の効果が出そうにも無い、既に政府短期証券も加えた債務は1000兆円を突破し、それを中央銀行がバンバン引き受ける構図・・・いかにも財政規律が無いと思われてはまずい、故に消費税増税をセットする。これが逆に税収全体に悪影響を及ぼし、国債価格の下落の導火線となる。それを回避する為に更に中央銀行が買い支えの為に国債を引き受ける。
言わば、マネーを中心にやった政策がマネーの逆回転を起こし、それをまたマネーで支えるという金融だけの構図だ。
一体、第三の矢である根本の成長戦略は、どこえ行ってしまったのか、元々何も無いのではないのか。せめて雇用規制の緩和や、限定正社員制度などの声が沸き起こるような土壌でも無くせばまだしも、企業資本主義の声に耳を傾けるだけで、何が良くなると言うのか・・・
イタリア奇想曲の意味=気紛れの騒音のボリュームだけを上げて、誤魔化そうとするではない!。
シンゾーがオリンピック誘致の為に詭弁を弄し、次期開催の7年後には、福島放射能は消えている、心配ないとの発言も、気紛れに過ぎない。かくして「真」なるものは国中から逃げ出して行くのだ。
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