Re: 当代世間裏算用 ( No.311 ) |
- 日時: 2010/03/16 22:45
- 名前: 天橋立の愚痴人間
- 満天下有人 さん、ジョンさんの話と同じで、ある領域は、聞けば聞くほど解らなくなく(納得できなく)なります。
無論、論理的に把握できないからです。
政府紙幣とに日銀券を同じ貨幣として発行しても、マクロ経済に対する影響の仕方が異なることなどは理解できません。
>・・・食糧鎖国してそこへ投資を始めるということは、何もヘリマネではありません・・・実体があり新たな付加価値創出があるわけですから・・・
これも、私にとってはヘリマネと同じ事と思っていたのですが、 まあ、問題がないなら、私の意見を進めるのに一安心ということですが。
実際は、年間20兆円くらいの公共事業を新たに発生させることになります。 勿論、理屈では、それを200〜300年償還で、賃貸することにしてますが、短期的に見るとヘリマネそのものです。 こういう場合も、可能なのですね。
またテレビで見たことですが、 ブラジル(確か)では、現在の大統領が貧困層に金をばら撒き(方法は聞き逃しました)、おかげでボロボロの家の中にもテレビやパソコンがあり、経済が活性化したということです。
中国でも、最近内陸部の開発が随分と進んでいるようです。 其処へも、中央政府から資金がどんどん流れていると聞きます。 これもヘリマネではないでしょうか。
これらの国は、中国の固定相場制とか、ブラジルなどは、日本と違い、国際貿易、金融の場で遠慮なく自国言い分を通せる、ヤケノヤンパチがなせた技なのでしょうか。
と、言うことが立証できるのでしたら、日本もある時期、金融鎖国とは行かない間でも、貿易量を半分にするくらいの覚悟で望めば、かなりの荒療治が出来るのではないでしょうか。
問題は国内の活性化とのバランスですが。
いろいろ質問してますが、この当たりの認識を、もう少し充実させておかないと、持論の国のかたちが机上の空論になってしまいます。
もともと、4年前からの疑問ですので、急ぎません。 いつか、考え方を教えてください。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.312 ) |
- 日時: 2010/03/16 23:20
- 名前: seijikeizai111
- 私の名前が出てきたので、横から失礼します。
ヘリマネというのは、ヘリコプターマネーのことでしょうか。
私がヘリコプターマネーをやれと言っているように聞こえますがそれは誤解です。
ヘリコプターマネーというのは、とにかくマネーを供給しろというように聞こえます。
わたしは、お金の使い道が大事であるのであって、必要であるというなら不況下で税収がないときには国債を発行してすればよいと言っています。
税収不足だからできないということはないと言っていますが、必要でもないものを無理やりやって、お金をばらまけなんて言っておりません。
必要かどうかは、国家がやらなければならないものかどうかということが基準で、民間でできるようなことまでする必要はないと思っています。 儲からなく民間が手を出さないけれども、誰かがやらなければならないようなことが、国の仕事として必要かどうかの判断基準です。
その点は誤解がないようにお願いします。
また私は、いつでも国債の発行で賄えと言っているのではありません。
不況下であるから国債の発行で賄うべきだと言っています。
好景気になれば、税金も上げて市中から貨幣を回収しなければなりません。
財源を税金でするか国債を発行するかは景気の良しあしで判断すればよいのです。
ただ、通常の経済状態下では、どんなに公平な税制にしても税で完全に捕捉できないので、その分だけ国債の発行は増えていきます。
国債の発行が増えることは自由市場経済では必要なことです。異常ではありません。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.313 ) |
- 日時: 2010/03/16 23:53
- 名前: 天橋立の愚痴人間
- seijikeizai111 さん、やはり御覧になっていましたか。
ヘリマネの件で、誤解はしていません。
財政に対する積極的な手法を主張しておられることと理解しています。
満天下有人さんが指摘されていることも現実に起きる問題でしょう。
ですが、可能ならば、少しは危険でも、何かの方策を求めているのです。
そうでもない限り、時代の要請に合わせた根本的な産業構造の改革などできるとは思いません。
満天下さんが条件付で言われていることと、貴方の積極財政論からして、私が求める荒療治も理屈においては可能という感触を受けておりますが、その認識でよいでしょうか。
農業鎖国論で言っております、巨額な年間投資の財源のことで、最初に貴方が書かれていた、
>・・・国家がやらなければならないものかどうかということが基準で・・
等の、積極財政を容認する言葉に勇気つけられています。
ですが、さらに理論を進める上に、も少し具体的な納得をしたく思っています。
更なる御意見をまっております。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.314 ) |
- 日時: 2010/03/17 20:47
- 名前: 満天下有人
- 「ヘリマネ論と正通貨」
・・・あはは橋立さん、この問題を考え出すと、頭の中がグルグルして来るでしょう(笑)、誰しも無理からぬことです・・・今日明日と些か多忙につき、細かい具体的なことは週末にさせて頂くとして・・・
<政府紙幣と日銀券を同じ貨幣として発行しても、マクロ経済に対する影響の仕方が異なることなどは、理解できません>・・・
・・・ここなんですポイントは、橋立さん・・・最初から一国通貨を政府発行としておくか(政府紙幣)、通貨信用維持のために別途中央銀行券としておくか、どちらかであれば、政府紙幣でも構わないのです・・・ただしある副作用を除いて・・・
今日は長く書けませんが、それでも政治権力が貨幣発行権を持てば何でも如何様にでも通貨に対し権力を持てるリスク、シニョレッジ=通貨発行権益もそのリスクの一つに入りますが、一種の麻薬状態に陥ります・・・歴史上でも現実にその弊害が起こったものだから、人類の智恵で政冶権力と通貨発行権が分離されて来ました・・・
・・・一国通貨はやはり中央銀行券として権力を分散し、更に法定通貨として縛りをかけて置かねばならない、それは歴史的に見ても辛酸をなめた結果の教訓でしょう・・・その法律裏付けを持つ、言い換えると内外に対し国家信任を与える中央銀行券があって、そこへ別に政府紙幣を発行する、これはどういうことでしょう・・・具合悪いことがあるからです、これからマクロ経済に影響を与えるのではなく、既にマクロ経済に何かが起こっている、だから中央銀行券でやれないのだ,だから二重通貨にするのだ、世間はさような受け留め方をし、現に歴史的に見ても二重通貨としての政府紙幣が発行された時は、何かの歯止めによって政治権力が思うようにある事が出来ないか、あるいは政治権力が何かを企てて使った最後の一手なのです・・・
・・・ここでも別スレッド名で米国のケースをFRBの歴史を元に書きましたが、少しニュアンスは違いますが米国の場合は、ロスチャイルド一派の金融資本が通貨を支配しておりましたから政府は、別途政府紙幣発行(緑背紙幣・グリーンバックビル)で対抗しようとし、リンカーンは暗殺されてしまいました・・・これは南北戦争軍事費調達を巡る争いでした・・・別スレッドでFRBは中央銀行ではないと書いておきましたが、時間不足につき再掲を今日ははしょります・・・そんなこと目下の疑問に関係ない事だと思われるかも知れませんが、通貨発行元の思惑次第で、現実世界経済に悪い影響を与えるという意味で、注目しておく必要があるからです・・・近年のドル過剰発行が良い例でしょう・・・
・・・わが国での政府紙幣発行も、ほとんどは、正貨の行き詰まりによる軍事費調達のためでした・・・軍事を巡る最後の一手です、経済的裏付け無しで・・・
・・・ヘリマネとは何を意味するのか、ヘリマネを何故政府紙幣でやらねばならないのか、何故日銀中央銀行券でやらないのか・・・中央銀行券でやれないわけが現実にあるからですね・・・そのわけが私が繰り返して言うところの巨大財政赤字であり、つまり既にマクロ経済が悪化している現実があり、それを内外に宣伝するような政府紙幣での手当ては、更に通貨信任下落を惹起し、それを通じて更にマクロ経済を毀損して行くという悪循環が始まるわけです・・・
・・・正通貨信任価値の下落は、株式市場に似ていると前回申しましたが、平成2年の暴落、あれとてモルガンが、伸びきった東京市場を見て、さて食べ頃が来たなとして、売りし掛けから大暴落が始まりました・・・昨今の政府紙幣発行論は、アメリカの良心的経済学者ステイグリッツさんが来日して提唱したからですが、私なら邪気をもって推奨しておき、頃合を見て日本はこんな状態になってるぞ、として一斉に円売り仕掛けをしますね(笑)、ロスチャイルドの有名なナポレオン戦争時での英国債売り買い仕掛けでのボロ儲け、ジョージソロスの英ポンド巨大売りし掛けでのボロ儲け・・・やられた方はメロメロになる事実は枚挙に暇がないくらいです・・・通貨の信任とはかくも国際的に大きな連関性を持っております、これが、やるなら私の通貨鎖国論になっております・・・手品に乗らないように、なのに政府紙幣発行で手品が推奨される,これ如何に(笑)・・・
・・・古キツネが枯葉をひょいと頭に乗せて一回転すると、大判小判に変わってしまう童話もあるくらいです、この童話には二つの教訓というか、人間の貨幣に対する本能的な期待感と、手品っていいなあと思う、人間が錯覚に陥る二重の教訓を感じるのです(笑)・・・ヘリマネも政府紙幣も、よく観察してみると、この童話の範疇に入るなと、私はそんな感じを受けます・・・
レーニンの一言、共産党宣言だったか忘れましたが、資本主義社会を崩壊させるに最も手っ取り早い方法は、通貨を堕落させることである・・・童話とこのレーニンの言葉を組み合わせて見ると、いかに貨幣なるものが手品の道具に成り得るか、手品であるが故に国家サイズで破綻が起きる、世界規模で破綻が起きる(恐慌)・・・レーニンはここを逆応用すれば話は簡単だと云っているわけです・・・ここを先ず押さえておきたいと思いますが、時間取れ次第・・・。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.315 ) |
- 日時: 2010/03/18 09:02
- 名前: seijikeizai111
- 通貨は、手形割引で作られる。
A社は、テレビを作っている。 B社は、自動車を作っている。
A社の社長は、このテレビが売れたら給料を払う、そうしたら自動車が買えるぞ、という。 B社の社長は、この自動車が売れたら給料を払う、そうしたらテレビが買えるぞ、という。
結果どちらも売れない。
C商社がこのテレビを3か月の手形で買いましょう、と言ってきた。 D商社がこの自動車を3か月の手形で買いましょう、と言ってきた。
A社の社長は、C商社の手形を担保として銀行に融資を申し込んだ。 B社の社長は、D商社の手形を担保として銀行に融資を申し込んだ。
銀行は、C商社は売る力のある会社であるからその手形は信用があるとして融資を行った。 銀行は、D商社は売る力のある会社であるからその手形は信用があるとして融資を行った。
A社は、従業員に給料を支払った。従業員は、自動車を買った。 B社は、従業員に給料を支払った。従業員は、テレビを買った。
C商社は、テレビが売れたのでその代金で手形の支払いをした。 D商社は、自動車が売れたのでその代金で手形の支払いをした。
A社は、手形期日に支払いを受けたので、銀行に融資金を返済した。 B社は、手形期日に支払いを受けたので、銀行に融資金を返済した。
これが正当な通貨が生まれて通貨が消却されるまでの流れである。
このように、通貨が生まれるのはその裏付けとなる生産などが行われたかどうかが必要になる。 この裏付けなくして、通貨を作る行為は、通貨の信認を損なう。
ただし、世の中杓子定規にはいかない。
売れない商品も生まれる。
売れない商品が生まれたら、売れる商品まで売れないことになる。
そこで、そういった為に余分に通貨が生まれておくことも必要になる。
また、貯蓄はその分だけ需要を減らす。
貯蓄された分は誰かが代わりに買わなければならない。
日本では、政府が国民に強制的に多額の貯蓄を強いている。
年金などの社会保険料(積立金)である。
これも給料から払われて、商品の購入に向かわなかったお金になる。 購入したくてもできないのだ。
この分だけ毎年需要不足が生じている。
日本の年金には、構造的なシステム上の欠陥がある。
この欠陥を補うために、年金積立金を政府が借りて使う。 これは必要なことであり、なんら通貨の信認を揺るがすものではない。
むしろ誰かが使わなければ、需要不足を生じて、結果売れるものを作っている会社も潰れていく。
年金資金がアメリカ国債を買うことになれば、アメリカで需要が増えることになり日本が国内の需要不足になり、その分輸出主導経済になるのは当然のことだ。
悲しいかな、輸出主導しなければならない必然がそこにある。
日本が内需が育たないのは、 巨額な年金資金=強制的に貯蓄させられたお金=国内で消費されないお金 、があるからである。
政府がこれを使うことは必要なことである。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.316 ) |
- 日時: 2010/03/18 19:34
- 名前: 満天下有人
Seijikeizaiさん、細かい説明をどうも、ありがとうございます・・・
・・・全体としては仰る通りです、TV会社と自動車会社の例で説明されていることは、要するに総合すれば各段階での付加価値創出に見合って、通貨は発行されているわけですね、そこを細かく説明されたのだと思います・・・
そこで、原理原則は分かりますが、現実に即してちょっと分かりにくい説明があるので、質問させてください・・・掲示板では誰しも言葉足らずになり、後で読み返すと、もっと的確な用語を使えば良かったかなと、文脈が分かりにくかったかなと思うことは誰しも同じで、読む側にとっては分からないこともしばしば起こる、その程度での質問として受け留めて下さい・・・
・・・付加価値創出の段階で通貨は既に手当てされるわけですが「これが正当な通貨が生まれて通貨が償却されるまでの流れである」という箇所の、通貨の「償却」という意味が分かりませんので、砕いて教えてください・・・
・・・「最後に売れ残る商品に対する通貨の手当ても必要となり、そのための通貨発行手当ても要する」・・・これは当然ですね、通貨は原則GDPをベースに発行されていますから、付加価値創出の過程での各段階における必要通貨は既に発行され、かつ最終段階での完成品が売れ残るとしても、GDPにおける在庫投資をベースに通貨は既に発行されていると思います・・・
・・・「貯蓄された分はその分だけ需要を減らす」・・・この貯蓄された分というのは、国民所得計算における貯蓄という意味なのか、・・・後段で言われている「政府が国民に貯蓄を強いている」と言われている箇所を勘案すると、それが社会保障積立金を意味していると思うのですが、その部分が需要に向かわないから、需給ギャップが起る・・・
よって政府がそのギャップを埋めるために、それを裏付けにして国債発行するのに、何ら通貨の信任を揺るがすものではないから、どんどん国債発行しても問題は無い・・・ただし、使い道と財政規律を守った上で・・・
そのように理解してよろしいでしょうか・・・既に年金積立残高約130兆円のうち86兆円は国債、財投債に振り向けられております、・・・残り44兆円のうち34兆円は株式投資及び米国債で運用されていますが、国内需給ギャップを埋めるためにも、株式運用でなく国債購入に使え、という論旨であると理解してよろしいでしょうか・・・。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.317 ) |
- 日時: 2010/03/18 19:57
- 名前: 天橋立の愚痴人間
- >・・・既に年金積立残高約130兆円のうち86兆円は国債、財投債に振り向けられております、・・・残り44兆円のうち34兆円は株式投資及び米国債で運用されていますが、国内需給ギャップを埋めるためにも、株式運用でなく国債購入に使え、という論旨であると理解してよろしいでしょうか・・・。
満天下有人さん、
補足提言をさせていただきます。
財投債、国債にまわされた、年金資金、郵便局資金の幾分が
結局は、天下り役人や、怠惰を極める職員の預貯金と代わっているならば
有効な投資効果を損ねているということにもなりませんか。
都市整備公団、道路公団、緑の資源公団など、該当する組織を挙げるのに枚挙がありません。
困ったものですね。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.318 ) |
- 日時: 2010/03/18 20:22
- 名前: 満天下有人
- ・・・はい、不明確な部分を先ず明確にして段階を踏む予定ですが、橋立さんが指摘されましたので・・・
・・・そうなのですね、seijikeizaiさんも財政規律を守り、使い道を誤るなと言っておられるのですが、実際にはGDPに占める政府支出は80兆円もあります・・・
総務省、財務省などにも確認しましたが、その殆どは公務員人件費であると認めております・・・残る年金保険積立金も、需給ギャップ埋めるために国債発行しても良いとなると、こりゃまあ、国民貯蓄を更に官僚どもに供えるということになり、机上の方程式で成り立つ式であれば、供養しても構わないという、少し変な論理になって来ます・・・
・・・民主党政権も、官僚経費削減とは言うものの、これこれしかじかの如く、国民資産まで食われているということを、はっきり言えばいいのに・・・不明年金の調査ばかりに時間食いやがって・・・こんなの、徳政令でバッサリけりを付けて、もっと前向きなデザインを明確にして欲しいものです・・・。
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Re: 当代世間裏算用 ( No.319 ) |
- 日時: 2010/03/19 00:21
- 名前: seijikeizai111
- 満天下有人さん、ご質問ありがとうございます。
>>・・・全体としては仰る通りです、TV会社と自動車会社の例で説明されていることは、要するに総合すれば各段階での付加価値創出に見合って、通貨は発行されているわけですね、そこを細かく説明されたのだと思います・・・
>>そこで、原理原則は分かりますが、現実に即してちょっと分かりにくい説明があるので、質問させてください・・・掲示板では誰しも言葉足らずになり、後で読み返すと、もっと的確な用語を使えば良かったかなと、文脈が分かりにくかったかなと思うことは誰しも同じで、読む側にとっては分からないこともしばしば起こる、その程度での質問として受け留めて下さい・・・
>>>・・・付加価値創出の段階で通貨は既に手当てされるわけですが「これが正当な通貨が生まれて通貨が償却されるまでの流れである」という箇所の、通貨の「償却」という意味が分かりませんので、砕いて教えてください・・・
通貨は、生まれては消え、生まれては消えしています。 通常、通貨は銀行が貸し出しすることにより生まれ、返済されて消えます。
誰かが適当に配っているのではありません。
琵琶湖の水と同じで、流れ込む水と流れ出る水があるのですが、見た目には同じ水がとどまっているように見えます。
世間に流通している通貨も同じです。
例でいうと、最初通貨は何もありませんでした。 A社からC商社へ、B社からD商社への販売代金を1億円づつとします。 お金がないので手形です。
銀行が手形を割り引いて、A社とB社に1億円づつの貸し出しをしました。 その時点で2億円の通貨が生まれました。
2億円の通貨は給与として支払われ、それぞれの販売代金としてC商社D商社に入り、手形の代金としてA社B社に支払われました。 A社B社は銀行に返済しました。 通貨は、なくなりました。お金が消えました。
こんな取引が日本国中でたくさん繰り返し行われているので、あたかも同じお金があるように見えています。
>>>・・・「最後に売れ残る商品に対する通貨の手当ても必要となり、そのための通貨発行手当ても要する」・・・これは当然ですね、通貨は原則GDPをベースに発行されていますから、付加価値創出の過程での各段階における必要通貨は既に発行され、かつ最終段階での完成品が売れ残るとしても、GDPにおける在庫投資をベースに通貨は既に発行されていると思います・・・
私があげた例でいえば、 D商社がB社から自動車を買わなかったとします。
B社は、手形がないので銀行借入できません。銀行は、D社が買うことで商品に価値があると判断しているからです。 融資が受けられないので、B社は給料が払えません。 給料が払われないので、B社の社員はテレビを買えません。 テレビも売れないので、C商社は手形が落とせません。 C商社の手形が落ちないので、A社は銀行に返済できません。
このままでは、A社もB社もC商社もD商社も倒産です。
A社の社員の給与は、使われずに銀行に預金として残っています。
国が、景気対策として国会議員に一人づつ車を買います、という政策をします。 財源は国債を発行します。銀行は、それを引き受けます。
ここでも通貨が生まれます。
B社は無事国に車が売れて、社員に給与を払いました。 社員は、テレビを買いました。
C社も手形を落とせました。A社も銀行に返済できました。
A社の社員の給与は、銀行に残ったままです。 その残高は、国債の残高と一致します。
これは悪いことですか。 ほっといたらよかったですか。
・・・「貯蓄された分はその分だけ需要を減らす」・・・この貯蓄された分というのは、国民所得計算における貯蓄という意味なのか、・・・後段で言われている「政府が国民に貯蓄を強いている」と言われている箇所を勘案すると、それが社会保障積立金を意味していると思うのですが、その部分が需要に向かわないから、需給ギャップが起る・・・
よって政府がそのギャップを埋めるために、それを裏付けにして国債発行するのに、何ら通貨の信任を揺るがすものではないから、どんどん国債発行しても問題は無い・・・ただし、使い道と財政規律を守った上で・・・
そのように理解してよろしいでしょうか
だいたいそれでよいのですが、誤解されないような注意点が二つあります
@・・・どんどん国債を発行しても問題はない、・・・ というのは貯蓄相当分は、ということです。 A私のいう財政規律というのは、財政原則に反しない支出ということです。 税収の範囲の支出であるとか国債の発行が多いかどうかというのではありません。
財政原則は、繰り返しますが再掲します。 @国会の承認を得る。 A予算・会計は一つでなければならない。 B特定の収入と特定の支出とを結び付けてはいけない。 C量出制入(出を量って入を制する・・・入りを量って出を制するではない)。 Dお金儲けをしてはいけない。
この原則に従った支出をするということです。
・・・既に年金積立残高約130兆円のうち86兆円は国債、財投債に振り向けられております、・・・残り44兆円のうち34兆円は株式投資及び米国債で運用されていますが、国内需給ギャップを埋めるためにも、株式運用でなく国債購入に使え、という論旨であると理解してよろしいでしょうか・・・。
国債購入が目的ではありません。 誰かが使うようにすることが目的です。
その一つの方法として、政府が支出するということがあります。 その支出の方法としては、減税が一番いいと思います。 それも消費税や所得税など国民が自由に使える減税です。
先程の例でいえば、国が車を買い続けるなんてできません。 車を道路建設、ダム建設、空港建設に置き換えれば、公共事業依存経済です。 また、他にも特別会計まで含めれば200兆円の国の支出ですから、官需依存経済になっています。
需給ギャップをなくして、さらに国の関与をなくす、一石二鳥の政策が減税です。
減税も支出の一つです。
<<<とりあえず一つ返信します。>>>
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Re: 当代世間裏算用 ( No.320 ) |
- 日時: 2010/03/19 19:35
- 名前: 満天下有人
- 「seijikeizaiさん、NO。319へのレス」@
・・・再説明ありがとうございます・・・失礼ですが銀行現役かOBの方でしょうか、用語の使われ方が普通市民の解釈と少し違うように思え、説明を受ける側としては、誤解してしまいそうなので、再質問を織り交ぜながら・・・
(1)通貨の発生と消滅(償却)
<通常、通貨は銀行が貸し出しすることにより生まれ、返済されて消えます。誰かが適当に配っているのではありません>・・・
・・・ここは多分、信用の創造のことを言われているのかな?と思ったのですが、連鎖する信用関係が返済によって一件落着、消滅するのであって、通貨そのものの消滅と言われていたので、混乱しました・・・信用関係の完結によって、その関係は消滅しますが、通貨が消滅するわけではないと思うのですが・・・
<通貨の消滅>となると、何だか古紙幣を焼却してしまうような印象を受けます・・・むしろ付加価値創造の段階で自ずと付帯して発生する債権債務などの信用関係が返済によって消滅し(生産された付加価値の最終的実現)、かつ新たな生産でまた新たな信用関係が生じ、それがまた決済されて消滅する、その繰り返しであって、その決済手段である現物通貨は、どの過程においても流通し、別に消滅しないと思うのですが・・・
信用の発生消滅の連鎖関係と現物通貨の流れがごちゃ混ぜになっているような感じを受け、せっかくの説が素人には通じません・・・
通貨は<誰かが適当に配っているのではありません、銀行が貸し出すことによって通貨が生まれ、返済されて消えます>・・・
ここも、根源的に先ず、近代社会になるほどに膨大で異なる商品が集積され、マルクスがゲーテのフアウストの言葉をもじって、商品の生産者、所有者は、山のような商品を目の前にして「当惑の余り、腕組して考え込んでしまう」、と表現したように、このような状況が通貨交換手段としての発行の量を促進して来た・・・
つまり、原料素材がいくつもの過程を経て、今風に言うなら最終商品に至る各段階での付加価値に対応する必要に応じて、中央銀行が通貨を準備し、それを市中銀行を通じて供給する・・・
銀行が貸し出すことによって“通貨が生まれる”のではなく、既に準備のために生まれていた通貨が、銀行貸出や決済を通じ交換手段としての貨幣の「使用価値」が実現される、銀行は単に通貨必要度を満たす媒介体であって、通貨を産む場所ではない、私にはそのようなものに見えます・・・
(まあ、維新直後は私的国立銀行がそれぞれ通貨を発行してはおりましたが、日銀設立後銀行は、通貨の発行は出来なくなっており、あなたが仰る銀行とは中央銀行であると言われれば、そうであり、“生む”という言葉が、通貨を準備するという意味であれば、それはそうです・・・それでも通貨の“必要を”生む場所は銀行でなく、あくまで国民経済活動から生じるものであると、そのように思いますが・・・
・・・それと、国民経済活動があれば通貨は自然に必要とされること、及び通貨は誰かが適当に配っているものではないということを、態々強調されている所から判断して、ヘリマネに対する貨幣の位置付け、あるいは景気対策や金融政策に対する批判の伏線意図が込められているのでしょうか・・・そうでないと、通貨を生む場所ということを強調されても、あまり意味がないし、先ず基本を抑えておきたいという意図は理解しますが、そこをベースに更なるアップブラッシュを期待します・・・)
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