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[3064] 耐震・免震・制震レポート <免震ダンパーデータ改竄問題
日時: 2018/10/22 18:27
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:BEJWm4C6

中央省庁に不正の免震装置=KYBが建物名70件公表−スカイツリーも改ざん確認

記者会見の冒頭、頭を下げるKYBの斎藤圭介専務(右)と子会社カヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、東京都千代田区
記者会見の冒頭、頭を下げるKYBの斎藤圭介専務(右)と子会社カヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、東京都千代田区

 免震・制振装置の検査データ改ざん問題で、製造したKYBは19日午後、記者会見し、所有者の了解が得られた建物名70件を公表した。所在地は24都道府県に及ぶ。愛知県や長野県などの自治体庁舎に加え、農林水産省が入る合同庁舎で免震装置の不正を確認。改ざん問題の影響は国の中枢を担う中央省庁にも拡大した。

このようなニュースが飛んでいます。
多くの人は免震ダンパーがどの様なものかは解らないでしょう。

地震が多い我が国では地震の被害を避けるための研究が多くされています。
地震対策としては大きく次の3つの方法が考えられています。

>制震

地震動をエネルギーとして捉え、建物自体に組み込んだエネルギー吸収機構により地震が入力しても抑制する技術。建物の揺れを抑え、構造体の損傷が軽減されるため繰り返しの地震に有効。大規模建築物に採用する事が多かったが、近年では戸建て住宅への効果も検証され、採用する例が急増している。免震に比べて、コストは安価。

>免震

地盤との絶縁などにより、地震力を受けないようにする。基礎部分にアイソレータやダンパーを敷き、その上に建物を設置することにより、地盤の揺れに建物が追随しないようにする。あらゆる規模の建築物に有効だが、コストは大きく、普及率は高くない。又、地盤と絶縁する為、強力な台風や竜巻により倒壊する可能性がある。又、津波に押し倒される可能性もあり、前述の台風や竜巻が起こっている時に地震が起きると、更に倒壊の危険性が高まる。

>耐震

地震の力に対して、構造体の力で耐える技術。構造を丈夫にし、地震力を受けても倒壊しないようにする。耐力壁を配置し、筋交いなどを設けることで、建物の各部分が破壊しないだけの強度を確保する。すべての建築物に必須の要素である。繰り返しの地震においては、破壊は進行していく(木造住宅における現状の耐震基準は、震度6程度の地震1回では倒壊しない事を定めている)。

このうち「免震」と「制震」は新しい研究成果によってもたらされたものであるが、「耐震」は、地震のある地域に建物を建てる以上ある程度自然に湧いてくる発想である。建築基準法によっても耐震構造は義務付けられている一方、免震・制震は任意に行う。また、耐震基準をクリアーした建物に加えて盛り込む技術である。


>「制震」とは、地震による建物の振動を抑える考え方です。
押えるという事は実際は建物本体に加わる地震の揺れを建物の亀裂や変形を少なくする為の部材を付け加えることです。

今回のYKBの製品は層間ダンパー型と言い、建物の基礎に近い部分に配置し、建物が変形するまでの振動の歪をオイルダンパーに吸収させようとするものです。
難しく考えられなくも、従来の木造住宅にある火打ち梁なども、地震の揺れに対して水平変形を生じない様につけられています。
同じく筋交いも縦の変形を防ぐものです。
火打ち梁も筋交いも結局は地震の揺れを吸収し建物を変形させないようにしているのです。

YKBのオイルダンパーは鉄筋コンクリート造(基礎)などの追加補強の為に設置されているもので、それが無くても柱、梁を大きくしたり耐力壁を増やす事でも対応できることです。
免震ダンパーを入れていても他の部材が貧弱であれば耐震力には変りません。

>次に「免震」について説明します。

免震の考え方は、そもそも地盤と建物(基礎共)引き離して地震による地盤の揺れを抑えるという考え方です。
具体的には、建物の基礎を作る以前に、地盤面のコンクリートの底版を作り、そこに、これもダンパーと言われる部材を設置し、その上に建物を基礎を作ると言う事です。

たとえば、その部材をボールベアリングと考えてください。
地震で地盤(底版)が横揺れしてもベアリングが転がるだけで上の建物が変形するような揺れは伝わりません。
このベアリングに当たる部材は、実際には硬質ゴム系の部材が使われます。
これには費用が大変かかるので、余り普及はしてません。
大きな建物では、関西空港の建物にはこれが使われています。他に銀行などの電算センターなどにも使われる事が多いようです。

>最後に「耐震」とは

要するに「制震」の為の工夫の事であり、従来の建築基準法で必用最小限の基準が規定されています。
その中に、地盤の強度
基礎の強度
計算上考えられる揺れに対する柱、梁の強度
同時に地震の揺れによる建物の変形を防ぐ水平耐力の基準
縦の変形に対応する為の耐力壁の基準

などがあり、現在は震度6に対応する様になっています。
それ以上は、建物の構造を強化したり、上記の免震、制震部材を付け加えれば良いでしょう。

実際に阪神大震災以降、住宅にも制震、免震部材が開発され大分普及している様です。
ですが、言いました様に、在来の工法でも十分に対応は出来るものです。

制震・免震部材にも欠点があります。
共通して、それらの部材は横の揺れには強くても縦揺れにはあまり機能しません。
免震の場合、特に住宅などでは地盤と建物が全く切り離されるので風の影響は大きくなります。
建物の構造設計の場合、地震と風に対する影響を考えるのですが、建物の形状によっては風圧力は地震の揺れに匹敵するばあいもあります。

また、免震装置の場合、長周期振動と建物の振動が共鳴することも考えられています。
結論として、制震・免震装置は、付加的に効果はあっても、それで安心と言うものではありません。

免震装置を付ければ震度7に耐えられると宣伝している様ですが、震度7の想定揺れ基準なども、信頼できません。
その程度を想定した装置であり、既成の耐震設計でも対応できる範囲なのです。
ちなみに震度6の想定揺れの基準は450ガル(振動の単位)。
先の東日本大震災でも最大の観測ガルは2000を超えていました。

住宅などは予算の余裕がある方は、設置されるに越した事は有りませんが、従来の工法でも十分な耐震設計をされれば良いと思います。
間取りや開口部の大きさなどで、設計士にあまり無理を言われないことです。
設計士も御客の顔色をうかがい無責任な設計をしないことです。


KYBによるデータ改竄も、約束事を破った(騙した)法的責任があるだけで、装置を設置した建物の居住者が、慌てなければならないほどの問題ではありません。

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