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[3100] ネコでもわかる経済問題(紹介スレッド)
日時: 2019/02/08 12:21
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:d1TaFdkc

このブログの著者は駒田氏です。
大賢人を前におこがましく思いますが、常々私が書いてきている事と同じような内容だと思っています。
また氏から、いろいろと教えを受けています。


ペンネーム:駒田 朗(こまだ あきら)

ツイッターハンドルネーム:のらねこま
1963年に北海道札幌市で生まれました。北海道大学水産学部、増殖学科卒業。その後は大手製薬企業でMRとして勤務、建材メーカーに転職して人事総務などを経験し、別の会社に再就職したのち2014年頃に退職して現在は執筆活動中です。2008年のリーマンショックの際には勤務していた会社が倒産して人生がひっくり返り、現在の経済システムに強い疑問を抱くようになりました。そのため、あるべき経済システムの姿を求めて考察を続けています。もともと自然科学系なので、経済に関しても観察することからスタートし、常識的な経済論にこだわらない独自の解釈に基づいて論を組み立てます。

興味のある主要なテーマはベーシックインカム、通貨制度改革、税制と財政再建、グローバリズム、日韓歴史問題などです。
※ 経歴が示すように経済の専門コースが経験されていません。
※ 経済の専門家からは、この様な意見は出てきません。
※ 彼等は、そういう考えを持っていても決して表には出しません。
※ 本当の経済の事を知ろうとすれば経済の専門家からは得られません(経済学の怠慢と言っています)。

それでは氏の意見を初級編から紹介します。
専門的な難しい表現ではなく素人にも解りやすく、面白い意見の連続です。
https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/nekodemo2/yoiseityou_waruiseityou
このサイトの目次をクリックしてください。

>目次

■((初級)おカネを使わず考える経済学)
経済成長って何だ〜おカネを使わず考える
貿易って何だ 貿易の基本は物々交換
資本主義と共産主義の本質的な違いは
投資って何だ 投資の本当の意味
ロボットと人口知能で失業が増える?
リサイクルで資源価格は無料になる?
少子高齢化社会は耐久性の向上で解決
なぜ失業するのか、どう解決するか
■((初級)おカネをゼロから考える)
硬貨と紙幣の違い=政府通貨と銀行券の違い
現金と預金の違い 預金は民間の発行するカネ
銀行はこうやっておカネを貸す 信用創造
世の中の借金は増え続ける宿命にある
財政再建すると国民の貯蓄が消える
政府通貨とは何か 国債を廃止せよ
政府通貨と国債の日銀引き受けは同じ
ネコでもわかるピケティ
ネコでもわかるピケティ
論点がすり替えられた「ピケティ論争」
■(ネコでもわかる雇用問題)
法人税減税と解雇規制緩和
「格差」は必要か
正しい格差とは何か
ブラック企業は経済にプラスか?
「脱時間給」の欺瞞 その対策
移民は不要 経済改革で対応せよ
完全雇用とワークシェアリングの役割
貧困問題を解決する方法
■(ネコでもわかる年金と高齢化)
年金は破綻するか?
増税なき高齢化社会の実現
ロボット大量活用で高齢化に対応できるか
消費税率100%でも年金は破綻する
■(ネコでもわかる増税と財政再建)
50年後に国の借金8000兆円?なら国債を廃止せよ
財政再建 国債を廃止し、政府通貨を発行せよ
通貨発行による財政運営で借金ゼロに
法人税を減税し、法人の金融資産に課税せよ
企業の租税回避 通貨発行益で対抗
年金世帯の増加で消費税の影響悪化
財政再建の方法まとめ 消費税ありきではない
■(ネコでもわかる韓国・中国)
歴史教育・歴史認識は有害である
歴史問題の根本解決は韓国の教育改革
慰安婦問題の争点と日本のすべき対応
中国市場が不要である理由
中国経済が崩壊しない理由
安保法制の細かい話はどうでもよい
■(持続可能な経済への旅)
資本主義は地球を食い潰す
グローバル化は滅亡への道
グローバル化による途上国の不健全な成長
「消費するロボット」が需要を担う
おカネのちからを知り、新しい時代を作ろう
アベノミクスの代案とは?
引き裂かれた日本経済
■(ネコでもわかる経済の話)
良いバラマキと悪いバラマキ
インフレでも貧しくならない理由
バブル経済とアベノミクス
経済成長は必要ないのか?
TPPの本当の危険は主権喪失
ビットコインは世界を変えるか?
金融緩和の功と罪
新しい投資のありかた(脱・拝金主義)
金融資産とは妄想の産物か
給付金(ヘリマネ)を第四の矢にせよ
野党が安倍に勝てない理由
「成熟社会=低成長」ではない
3つの武器で経済問題を考える
日本が成長を続けるのは当然
ここが変だよ今の左派
良い経済成長と悪い経済成長
ギリシャ破綻 ユーロ離脱して再起すべき
なぜ介護職員の給与が増えないのか
貿易黒字による金融緩和の効果
財政出動と企業内部留保課税の必要性
ケインズ経済の最大の失敗とは?
なぜ政府通貨に興味を持ったのか?
英国EU離脱 新聞各社の社説(転載

>中級編
■(ベーシックインカム(国民配当))
未来型ベーシックインカムのコンセプト
ベーシックインカムは不可避です
ベーシックインカムはビジョンが必要
立場で異なるベーシックインカムの考え
悪いベーシックインカムについて
ベーシックインカムは徐々に導入しよう
未来型ベーシックインカムの目的
ベーシックインカムの財源と通貨循環
ベーシックインカムは再分配ではなく分配
ヘリマネで円安になっても大丈夫な理由
生産性と生産資本の独占
崩壊しないバブル景気をヘリマネで
■(おカネと金融緩和の話)
金融緩和って何だ
銀行の基本的な仕組み 信用創造
マイナス金利って何だ
マイナス金利・信用通貨制度の終焉
「金融街」は地獄の輪転機 アニメ「C」
グラフで見る、カネを刷らない日本経済
通貨供給としてのケインズ主義
金融財政一体化と国債の廃止
デフレはなぜ悪いのか
■(仮想通貨について)
仮想通貨・電子マネー・銀行預金の違い
仮想通貨・電子マネー・預金のバランスシート
■(残業代ゼロと生産性の問題)
残業代ゼロ法案と仕事の生産性
残業代ゼロ法案と社会の生産性
残業代ゼロ法案とロボットによる生産性
■(グローバリズム問題)
「輸出が増えれば豊かになる」は短絡的
グローバリズムは2種類ある
グローバル経済は連鎖崩壊する
脱グローバリズムにはヘリマネが必須
■(金融政策とバランスシート(図解))
バランスシートの基本的なしくみ
信用創造とバランスシート
預金の取り付け騒ぎとバランスシート
基本的な通貨供給とバランスシート
国債発行・買いオペとバランスシート
ヘリコプターマネーとバランスシート
財政再建・政府通貨とバランスシート
マイナス金利とバランスシート

>著者による書籍のご紹介
書籍)財政再建は通貨改革でOK!
書籍)最強のベーシックインカム
書籍)金融緩和の天国と地獄:改訂版
書籍)ベーシックインカムの時代が始まる
書籍)拝金主義グローバリズム
書籍)アベノミクスを超える経済政策を目指せ
メンテ

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硬貨と紙幣の違い=政府通貨と銀行券の違い ( No.1 )
日時: 2019/02/08 12:27
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:d1TaFdkc

この中の一つを紹介します。

「硬貨と紙幣の違い=政府通貨と銀行券の違い」

2015.6.27


A.(じいちゃん)

おカネには10円や500円などの硬貨と、1000円や10,000円などの紙幣がある。ところで硬貨と紙幣の本質的な違いは何じゃと思う?

Q.(ねこ)

う〜ん、わからないにゃ。硬貨は金属で作られているし、紙幣は紙だにゃ。それ以外だと、そうにだにゃ、硬貨は「造幣局」が作ってるけど、紙幣は「国立印刷局」が作ってるのにゃ。

A.(じいちゃん)

そうじゃな、普通の人はそこまで知っていれば上出来じゃろう。じゃが本質的な違いはもっと別にある。これはいわゆる「偉い人」でも知らない人が多いから、試しに質問してやると面白いぞ。硬貨と紙幣の本質的な違いは「どこが発行しておるか」の違いじゃ。硬貨は政府が発行するが、紙幣は日銀が発行するのじゃ。作っているところは造幣局や国立印刷局じゃが、それは作らせているだけの話であって、発行しているのはそれぞれ政府と日銀なのじゃ。

それが証拠に、硬貨を見てみればよい。硬貨には「日本国」と刻印されておる。つまり日本政府が発行しておるのじゃ。そして紙幣には「日本銀行券」と印刷されておる。紙幣はつまり日本銀行が発行する銀行券ということじゃ。

Q.(ねこ)

へぇ〜知らなかったのにゃ、てっきり硬貨も紙幣も日本銀行が発行していると思っていたのにゃ。なんで硬貨は政府が発行して、紙幣は日本銀行が発行するのかにゃ。めんどくさいにゃ。

A.(じいちゃん)

それにはふか〜い訳があるんじゃ。というのも、貨幣と銀行券は歴史的にまったく別の起源から生まれたものだからじゃ。この違いを現代社会ではあっさりと聞き流しておるようじゃが、これはおカネの本質にかかわる重要な違いじゃから、ぜひねこにも知ってもらいたいのう。

Q.

硬貨と紙幣の起源が、歴史的に違うなんて知らなかったのにゃ。てっきり、金や銀が少なくなったから、紙のおカネにしたのかと思っていたのにゃ。不思議なのにゃ。教えてほしいにゃ。

A.

昔のおカネは硬貨じゃった。その当時は紙幣は存在しておらん。たとえばローマ時代にはローマ金貨があって、ローマ帝国つまり政府が金貨を鋳造しておった。また江戸時代では江戸幕府が大判、小判を鋳造しておった。ローマ帝国や幕府は「金山」「銀山」を所有しておったから、そこで金や銀を採掘して硬貨を作るのじゃ。もちろん、政府の役人が作るわけじゃなくて、職人が作るのじゃが。つまり昔のおカネである「硬貨」は基本的に政府が発行しておったわけじゃ。そして作った金貨や銀貨を使って劇場を作ったり、城を作ったりしたのじゃ。ず〜っと昔のローマの時代から、硬貨は政府が作ってきた。じゃから今の日本でも、硬貨を政府が発行したとしても何ら不思議ではない。

Q.

なるほどにゃ、だから100円や500円には「日本国」って刻印がされているんだにゃ。それじゃあ、政府が紙幣も発行すればいいんじゃないかにゃ。

A.

確かに日本銀行ではなく、政府が発行する「政府紙幣」という考え方もある。江戸時代には藩が発行した藩札があったり、明治初期の日本では政府紙幣が発行されたこともある。じゃが現代の社会では、なぜか政府紙幣の発行を主張すると大騒ぎになって止められてしまう。まあ、それはそれとして、紙幣の起源について説明しよう。これはちとややこしいぞ。

時代が進んでくると、金貨や銀貨などの貨幣が世の中に普及して、そうした金銀財宝をたくさん保有している「カネ持ち」が登場してくる。こうしたカネ持ちの持っている金貨や銀貨を狙って、強盗を企てる輩も出てくるようになる。こうなると自分の屋敷に金貨を保管しておくのは物騒じゃ。そこで金貨を強力な護衛兵に守られた金庫に預けるのが安心じゃ。そのような要望が増えてくると、強力な護衛兵に守られた「金庫業者」のような商売をする人たちが現れてきたのじゃ。

彼らは、カネ持ちから金貨を預かると、「預り証」を発行して、この預り証をカネ持ちに渡したんじゃ。そしてカネ持ちが金貨を返して欲しいときは、この預り証を金庫業者に持っていけば、引き換えに金貨を受け取ることができたんじゃ。この預り証が紙幣すなわち「銀行券」の始まりだとされておる。

Q.

紙幣の始まりは「金貨の預り証」だったんだにゃ。金貨と交換できる預り証なのにゃ。

A.

そうじゃ。そしてこの預り証が便利だったのじゃ。というのも金貨は重いし、大量に持ち運ぶのは物騒じゃ。そこで金貨の換わりにこの預り証を持ち歩いて売買を行うようになった。たとえばカネ持ちがお肉を買いに肉屋へ行き、そこで肉を買って預り証で支払うのじゃ。肉屋は好きなときに預り証をもって銀行へ行き、いつでも銀行から金貨を受け取ることができる。そうなると、いちいち銀行から金貨を引き出さなくても、この預り証を使って肉屋が農家から豚を仕入れることもできる。こうして預り証だけで取引が行われるようになり、これが「銀行券」になったと言われておるのじゃ。だから、今でも紙幣は政府ではなく、銀行が発行しておるのじゃ。そして金貨を預かっていた金庫業者は銀行になったのじゃよ。

Q.

面白いにゃ、金庫業者が銀行になって、金貨の預り証が銀行券になった。だから今でも紙幣は銀行が発行しているんだにゃ。なるほど、貨幣と紙幣は起源がまるで違うのにゃ。

A.

こうして銀行券が金貨の換わりにおカネとして使われるようになったが、あくまでも銀行券は金貨と交換できることが原則じゃった。これがいわゆる「金本位制」と呼ばれる制度の最初じゃ。日本でも世界でも、第二次世界大戦より前の時代では、金本位制と呼ばれる通貨制度が主流じゃった。これは、紙幣を発行するための裏づけとして銀行が「金」を準備しておくのじゃ。そして、金1グラムいくら、という感じで紙幣を発行するわけじゃ(例えば1オンス35ドル)。じゃから銀行が保有しておる金の量によって、発行できる紙幣の量が決まる仕組みじゃ。

しかし、国際的な貿易がどんどん盛んになると、貿易の赤字や黒字によっておカネがどんどん海外へ流出する国が現れるようになった。金本位制の場合は、おカネと金を交換できる約束になっておるから、だんだんと金が流出して、国内のおカネが足りなくなってしまい、経済に悪影響が出るようになったんじゃ。それで金と紙幣の交換を停止して、金が無くてもおカネが発行できるようにしたのじゃ。これが「管理通貨制度」と呼ばれる制度じゃ。この場合は、金とは無関係に紙幣を発行できる。金と無関係に紙幣を発行するのであれば、やろうと思えばいくらでも発行できる気がするが、そうではない。

Q.

金とは無関係だけど、何か別のものと関係があるの?

A.

その通りじゃ、管理通貨制度では金の代わりに「国債」が用いられるのじゃ。日本銀行が紙幣(日銀券)を発行する際には、何らかの資産が必要になる。金本位制のときは金が資産だったのじゃった。しかし金が使えなくなったので、代わりに何らかの資産が必要になった。そこで今日では日銀が主に国債を民間銀行から買い入れて、日銀券を発行しておるのじゃ。他にも民間銀行への貸付として日銀券を発行することもある。いずれにしても、銀行券はもともと「預り証」だったわけじゃから、何らかの資産の裏づけがないと発行できない仕組みなんじゃ。それは資産を管理する「帳簿」がそういう仕組みになっておるからじゃ。その帳簿が「バランスシート」なのじゃが、まあそれはいずれ説明しよう。

それに対して、政府が硬貨を発行する場合は、裏づけとなる金は必要ないし、国債も必要としない。考えてみると昔のローマ帝国や江戸幕府が硬貨を発行する際には、裏付けとなる資産は必要なかったわけじゃ。もちろん、昔の金貨は金そのものに価値はあったがのう。じゃから現在の政府が硬貨を発行する際にも裏づけは当然ながら必要ないわけじゃ。

Q.

なるほど、結局のところ、硬貨は昔から国や政府が発行していたから「政府通貨」なのにゃ。政府通貨を発行するには裏づけは必要ない。それに対して紙幣は銀行が発行していたから「銀行券」なのにゃ。そして銀行券を発行するには裏づけとなる資産が必要なのにゃ。う〜ん、こんな基本的なことも学校では教えてくれないにゃ〜。

A.

まあ学校では教えたくないこともあるのじゃろう。なお、銀行券にしても政府通貨にしても、その発行を決める権限は最終的に「政府」にあるはずじゃ。なぜなら民主主義の今日ではおカネを発行する最終的な権限は国民にあるからじゃ。これが「通貨発行権」と呼ばれる国民の権利じゃな。一つの国が一つの通貨を持つのはそのためじゃ。

しかし世界的な大実験がEU(欧州連合)で行われた。これが「ユーロ」すなわち統一通貨じゃ。これによって通貨発行権が国民の主権からはく奪されたのじゃ。まあ、その話は別の機会にしようかの。









メンテ
グローバル化は滅亡への道 ( No.2 )
日時: 2019/02/08 12:34
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:d1TaFdkc

「グローバル化は滅亡への道 」

今日、主流といわれるエコノミストの多くは経済のグローバル化を当然のように受け入れ、何の疑いも無くグローバル化を推進しているようです。彼らの主張は「グローバル化、とりわけ新自由主義と市場原理主義で世界中の資源が最適に配分され、より多くの富を生み出し、世界経済は発展する」という話です。ところが実際にはその逆の現象が数多く報告され、疑問の声も挙がっています。グローバル化はユートピアをもたらすのでしょうか?

経済のグローバル化による効果は、理論上、すばらしいものであるかに見えます。自由貿易を行う複数の国が、互いに資源の過不足を補完し、より生産性の高い分野の生産を分担して行う「国際分業」は非常に効率的で生産性も高いことは間違いないでしょう。しかし生産性が高いからと言って、人々が豊かで幸福になるとは限りません。実際にはその逆のことが生じています。生産性が高くとも人々に不幸をもたらすのであれば、それは社会のシステムとして不適切です。

<グローバル化が招く貧困問題>

確かに多くの途上国はグローバル化によって「国家としての経済成長」を遂げています。BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)はもちろん、その他の東南アジア諸国、アフリカでも高い成長を示しています。しかしグローバル化は同時に途上国に深刻なインフレと貧富の格差をもたらしました。2012年はアラブの春などと言われ、中東諸国の独裁政権が民衆の武力暴動により次々と打ち倒された年ですが、この暴動の背景には貧富の格差の問題があるとされます。グローバル化の波に乗り、経済成長した中東の国々で貧富の格差が許容範囲を超え、多くの人々の怒りを誘ったのです。また成長著しい中国でも格差が拡大し、農村部では暴動が絶えず、開発で土地を奪われた農民が都市に溢れています。途上国の経済成長は人々に豊かさをもたらしたとは必ずしも言えないのです。豊かな人がますます豊かになり、貧しい人はますます貧しくなる。国の経済規模で見れば成長したかも知れませんが、社会的な完成度としてはむしろ後退したと言えるのではないでしょうか。

また、貧困がテロの温床になっているとはずいぶん昔から指摘されていることですが、それは解消されるどころか、グローバル化の進展した今日、ますます悪化しているのではないでしょうか。つまりグローバル化による貧富の格差こそテロの温床ではないかと疑われるのです。グローバル化で資本の移動がどんどん行われるようになり、多くの途上国は経済成長のためという名目で、先進国からの莫大な債務を抱えるようになりました。先進国から借金することで利益を得るのは一部の人々であっても、債務の返済のためにおカネを払うのは多くの庶民です。その返済のために人々の貧困化に拍車がかかっています。たとえばある途上国では先進国からの債務の支払いが滞ったために公共事業としての水道事業を外資に売り払う羽目になり、水道料金が引き上げられて暴動が発生しています。このような途上国における格差の問題は中東のみならず、世界のすべての途上国に共通する社会問題と言えるでしょう。

<深刻な途上国の環境破壊>

グローバル化は深刻な環境破壊も引き起こしています。先進諸国では環境保護に関する法律が整備され、今や公害や環境破壊に直接悩まされる事はありません。そのために多くの人々が公害問題に鈍感になっていますが、実際には世界中で環境破壊が凄まじい速度で進んでいます。その環境破壊と引き換えに得られた資源が先進国に輸出され、私たちの消費社会を支えているという現実があります。本来はジャーナリズムがもっと伝えるべき途上国のグローバル化による悲惨な環境破壊の実態は、先進国ではほとんど忘れられているかのようです。

アフリカで素朴に暮らしていた人々は、先進国から持ち込まれる目のくらむような消費財に心を奪われて、それを手に入れるためにカネを欲しがり、その地下に資源があるとなれば、先祖伝来の土地を売ってカネを得ます。それで一時的に豊かになれますが、生活の基盤だった土地を追われ、日々の糧を得るため鉱山労働者として僅かのカネで雇われる賃金奴隷となります。そこにはもはや民族の誇りも伝統文化もありません。残されたのは先進国から持ち込まれた拝金主義という新たな異教だけです。

やがて環境は開発で破壊されます。途上国は環境保護の規制などあって無いようなものでしょう。アマゾンの熱帯雨林はどんどん伐採され、木材は輸出され、農地には単一の商品作物が大規模に栽培される。鉱山を開発すれば有害な物質がどんどん出る。そして環境破壊の代償として得られた貴重な資源は次々に先進国へ運ばれ、消費され、大量のゴミとなります。そしてゴミもまた途上国に持ち込まれるのです。

また卑近な例では中国の環境破壊、公害問題があります。グローバル社会では「中国の高い経済成長が世界経済をけん引した」などと中国を高く評価しますが、その高い経済成長は環境の破壊を前提としており、これを高く評価するグローバル社会は偽善ではないでしょうか。こうした中国の環境破壊はグローバル社会も当初から予測可能だったはずです。なぜ問題が深刻化するまで放置したのでしょうか。それはまさにグローバル経済の性格を如実に表しています。カネがすべてです。

<産業の空洞化による先進国の格差拡大>

グローバル化は途上国の社会にゆがみをもたらすだけではありません。コストを安く生産する目的で多くの先進国では工場が途上国に移転し、産業の空洞化をもたらしました。それは先進国の人々から多くの雇用を奪う結果となり、深刻な失業問題と貧富の格差を引き起こしました。欧州ではサブプライムローン・バブル崩壊後のデフレ不況も相まって失業率が20%を超える国もあり、さらにコストダウンのために外国人労働者の雇用が増加することで移民との間で対立が発生し、暴動すら引き起こしています。もちろん移民はグローバル化です。グローバル化は資本の移動だけでなく、人の移動も推進しているからです。そして移民の中にはテロに走る若者も現れ治安は悪化し、社会の質は確実に損なわれています。グローバル化はヨーロッパに幸福をもたらしたのでしょうか。


<相互依存による経済の不安定化>

グローバル化により相互依存が進むと、個々の国はそれ単体では生存出来なくなります。例えば穀物は生産性の高いアメリカが圧倒的なシェアを占めています。多くの国々は自国で穀物を生産するのではなく、アメリカから穀物を輸入しています。このような状況では、アメリカがもし、ある国に穀物の輸出を行わないと恫喝すれば、その国はアメリカの要求に従わざるを得ない弱い立場に立たされます。最近では中国がレアメタルで同様の事を行ったのは記憶に新しいところでしょう。これらの物質は「戦略物資」と呼ばれています。グローバル経済は生産性が高い一方、経済を他国に依存することになるため、立場は弱く、不安定なものになります。

グローバル経済はすべての国が友好で、世界が平和でなければ成立しません。ところが世界はとてもそんな状況にはありません。どの国も自国の利益を最大化しようとしのぎを削っており、しかも紛争が絶える事はありません。そんな状態で経済のみがグローバル化し、食糧やエネルギー資源など国民の生命に関わる重要な商品をすべて輸入に依存するようになる事は、極めてリスクが高いと言えるのです。

<グローバル化は適応しすぎて滅亡した古代生物に例えられる>

仮にすべての国が友好的で世界が平和になったとしたら、グローバル経済はすばらしい経済体制なのでしょうか?それは違います。世界分業ということは、生産地域が偏在することを意味します。生産地域が偏在した場合、その地域の生産が何らかの理由で不可能になった場合、その影響は全世界に広がります。たとえば穀物の生産をアメリカに依存していたとして、アメリカが大干ばつに襲われて穀物がほとんど収穫出来なかったらどうなるでしょう?当然、アメリカはアメリカ国民のために穀物を使い、輸出は完全に途絶えるでしょう。そうなれば穀物をアメリカに依存していた国は大量の餓死者を出す事になります。もし、経済効率を優先するのでは無く、すべての国々で食糧自給率を高い状態に維持していたなら、アメリカの大干ばつの影響は最小限に抑える事が出来ます。

高度に分業化された社会は効率的で高い生産性を有しますが、ひとたび何かがあると悪影響は連鎖的に全世界に広がり、経済はたちどころに瓦解します。それはまるで環境に適応しすぎて絶滅した古代生物に例えられます。アンモナイトや恐竜といった古代生物は、進化の過程で無駄な機能を次々に捨て、生存のための最高の効率を手に入れました。このためアンモナイトや恐竜は爆発的に繁栄しましたが、その後、一気に絶滅しています。なぜなら、無駄をすべて捨てたがために、環境が激変した時、もはやそれに適合する能力を失っていたのです。効率優先は「大繁栄か絶滅か」というまるでギャンブルのような行為なのです。効率化すれば良いとは限らないのです。

つまりグローバル化は最高の効率を求め続け、

その結果、内部に巨大な「滅亡へのリスク」を抱え込む事になるのです。

<実は、グローバル化は非効率>

グローバル化により人、モノ、カネの資源が最適に配分されることは効率的である。その考えは正しいようですが穴があります。貿易や旅行により大量の物資や人員が地球を駆け巡ります。そこに膨大なエネルギーのロスがあるのです。地産地消という考え方であれば、莫大なエネルギーを使って世界中の物資を運搬する必要はありません。もちろん、ごく限られた地域でしか採取できない資源もあるでしょうから、そのような資源の移動はやむを得ないでしょう。しかし、消費財をなぜ外国で生産しなければならないのか?なぜわざわざ中国やインドネシアで生産しなければならないのか?それは為替レートです。為替の関係から途上国で生産した方が金銭的なコスト収支が有利だからです。使用されるエネルギー収支から言えば、実際には余計にエネルギーを浪費しています。

つまりグローバル化のメリットは為替の差による「人件費コスト」を利用しているに過ぎません。為替差を利用して途上国の労働力を安く利用すること(搾取)がグローバリズムの本質であり、為替差のポテンシャルを食いつぶせばやがて為替差はなくなる。だから先進国は生産拠点を中国からベトナムへ、そしてさらに貧しい国へと移動しながら、為替差のポテンシャルを食いつぶす。そのたびに途上国の環境を破壊し、貧富の格差を広げて社会問題を引き起こすのです。ただ「カネのためだけに」。グローバル化に未来はありません。

<相互依存から自助自立へ〜脱グローバル化>

グローバル化がまったくダメというのではありません。現実的には国際分業や貿易が不可欠なものであることは確かなのです。しかし、グローバル化は目指すべき理想の社会ではありません。新自由主義のように、なんでも全てグローバル化、グローバル化神聖主義のような考えに陥る事無く、グローバル化を冷静に見つめる事が大切です。冷静に考えれば、なんでも全てグローバル化ありきではなく、必要に応じたグローバル化、適切な範囲でのグローバル化という視点を手に入れる事ができるでしょう。

それこそがバランスのとれた世界経済の仕組みを構築する上で不可欠な事なのです。
メンテ
「中国経済が崩壊しない理由」 ( No.3 )
日時: 2019/02/08 18:22
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:d1TaFdkc

「中国経済が崩壊しない理由」

2016.3.6

(ねこ)

中国経済が崩壊するとずいぶん前からマスコミや新聞で騒がれているにゃ。でもなかなか崩壊しないのにゃ。にゃんで中国経済は崩壊しないのかにゃ。中国の社会主義が優れているからなのかにゃ。

(じいちゃん)

中国経済が崩壊しない理由は、中国が「非常識な国」だからじゃ。

(ねこ)

にゃんと、中国はとんでもない大馬鹿野郎の国なのかにゃ。

(じいちゃん)

いやいや、非常識といっても「とんでもない野郎」という意味ではない。資本主義の顔をしておるが、資本主義国では当たり前に行われることが中国ではされない、あるいは資本主義の国では考えられないような行動をするという意味じゃよ。だから常識的に判断しようとしても無理ということじゃ。

(ねこ)

ふ〜ん常識が通用しないのかにゃ、例えばどういう事にゃ。

(じいちゃん)

例えば中国のバブル崩壊を考えてみよう。バブル経済では、企業が資産(株式や不動産など)の売買を繰り返すことで資産価格がどんどん値上がりするのじゃが、そのとき、手持ち資金だけで資産の売買をするわけではない。多くの企業は銀行から借金して、それを元手にして資産の売買をしておる。資産の買値よりも売値が大きければ、銀行に借金と利息を返済しても手元に利益が残るわけじゃ。そのため資産が値上がりを続ける限り、いくら借金しても儲かる。

とはいえ、いつまでも資産価格の上昇が続くはずがない。ある時、不動産価格が下落に転じる。資産が値下がりを始めると資産を持っていても儲からないから、多くの企業が資産を売って銀行に借金を返済しようとするんじゃ。資産を買う人より売る人が多くなれば資産価格は下落するから、ますます資産を売る人が増える。すると売りが売りを呼んで資産価格の「暴落」が生じる。

普通の資本主義国ではそれが原因でバブルが一気に崩壊するんじゃ。ところが中国では資産を大量に保有している企業に対して共産党が「資産を売るな」と命令しているとのウワサがある。資産が売られなければ市場の暴落は起こらないわけじゃよ。こうした命令は普通の資本主義国では行われないから、常識的に言えばあり得ない。

(ねこ)

なるほど、だから非常識なんだにゃ。でも、それって無理があるんじゃないのかにゃ。別のところにひずみが出ないのかにゃ?

(じいちゃん)

確かにひずみが出る。なぜじゃろうか。資産の売却が禁止されるとなると、借金の返済もできなくなる。すると企業に貸し付けを行っている銀行が貸し付けたおカネを回収できなくなり、貸し付けが「不良債権」となる。こうして銀行の不良債権が増えると銀行の経営が苦しくなり、銀行がおカネを貸さなくなる「貸し渋り」になるのが普通じゃ。それどころか企業に貸しているおカネを無理にでも回収しようとする、それが「貸し剥がし」じゃ。貸し渋りや貸し剥がしになると、世の中におカネが回らなくなり企業の売り上げや収益もどんどん悪化してしまう。すると普通の資本主義の国では、企業の倒産がどんどん増加するんなずなんじゃ。

しかもバブルだけじゃない。過剰投資の問題があるんじゃ。投資の多くは借金によって行われる。じゃから投資したおカネは返済する必要があるんじゃ。たとえば借金して分譲マンションを建設するとしよう。最初のうちは建設されるマンションの数が少ないから良く売れるし、借金の返済も簡単じゃ。ところが我も我もとマンションを建設する業者が増えると、あまりにも多くのマンションが建設されるものじゃから、マンションの価格が暴落するし、売れ残りが大量に出てしまう。すると借金の返済ができなくなり、企業が倒産してしまうはずなんじゃ。

(ねこ)

でも、まだ中国経済は持ちこたえているにゃ。

(じいちゃん)

そうじゃな、おそらく銀行が借金を「追い貸し」していると思う。つまり、普通は銀行が企業に対しておカネを貸さなくなるはずなのに、逆にますますおカネの貸し出しを増やしているのじゃろう。中国共産党が銀行に命じて貸し出しを増やしていると思う。さらに「シャドーバンク」がこうした企業に貸し付けを行っている可能性もある。普通の資本主義国ではこんなことはない。ちなみに企業は赤字が原因で倒産するのではない。おカネの支払いができなくなるから倒産するんじゃ。ニュースで倒産が報道される際に「手形が不渡りになる」と言うが、これは企業が支払い不能な状態になる事なんじゃ。逆にどれほど真っ赤な赤字企業であっても、銀行からおカネを借りて支払いに応じている間は倒産しないんじゃ。銀行がおカネを貸さなくなった瞬間に倒産する。その時が中国経済崩壊の時じゃ。じゃから貸し付けを止められないのじゃ。

実際、中国の民間企業の借金は増加しておる。中国の経済指標がどんどん悪化しているにも関わらず貸し出し(借金)は伸び続けており、なんと総額2000兆円を超えたというのじゃ。これは中国のGDPの2倍を超える金額で、他の先進国がGDPの1.5倍程度であるのに比べてかなり大きいと言える。このまま貸し出しを続ければ、かつて人類が経験した事の無いほどの借金を抱えるかも知れんのう。

(ねこ)

にゃんと、借金が膨大なうえに、さらに借金を増やすことで経済の崩壊を防いでいる可能性があるのにゃ。もしそうだとしたら、問題を先送りしているだけで、この先必ず破綻するのにゃ。

(じいちゃん)

普通はそう思うのじゃが、そこが中国の非常識なところじゃ。もしかすると今度は中国政府が銀行や企業の「不良資産の買い取り」を始めるかも知れん。資本主義国ではあり得ないがの。もし中国政府が国債を刷って、その財源で銀行や企業の抱えている不良債権を買い取るとどうなるか?銀行の不良債権を買い取れば、銀行の経営は一気に改善する。また価格が下落して含み損を抱えてしまった企業の不動産を取得時の価格で買い取れば、企業の経営も一気に改善する。

(ねこ)

すごいにゃ、中国政府が不良債権を全部買い取れば問題解決だにゃ。

(じいちゃん)

そうじゃな、しかし、その代わりに中国政府が不良債権を抱え込むことになる。そしてその損失分をどうするかが問題となるじゃろう。それは日本も似たようなものじゃよ。日本は銀行や建設業界の抱える不良債権を直接買い取ったわけではない。しかし、国債を発行して財政出動することによって、間接的に買い取った形になったんじゃ。その結果、政府が膨大な借金を抱え、建設業者と銀行の不良債権は消えたんじゃ。そして今、政府の抱えた膨大な借金をどうするかが問題となっておる。

(ねこ)

そしたら、国債を刷らない方法で不良債権を買えばいいにゃ。たとえば財源として国債を発行するんじゃなくて、税金を増やしたり、通貨発行をすればいいにゃ。

(じいちゃん)

そうじゃな、本当は「税金を増やす」が良いじゃろう。と言っても生活の苦しい一般庶民に課税すれば暴動になる。中国は社会主義などと言っておるが、実はアメリカよりも強烈な格差社会じゃ。共産党の幹部は私腹を肥やしてそれをドルに換金してアメリカに送金しているらしいし、他にも中国にはバブルで儲けた大富豪がごまんといるからな。そうした連中に課税すれば相当なおカネが手に入るはずじゃ。そうすれば社会の格差も縮小するし不良債権も減る。しかし強欲な共産党員がそんな事をするはずがない。奴らは資本主義の旨味を味わってしまったのじゃ。究極の拝金主義に侵されておる。

であれば、通貨「元」を湯水のごとく印刷し、それで不良債権、不良資産を買い取ることは出来るじゃろう。ただしその結果何が生じるかわからん。そんなことをやった国はいままで無いからじゃ。普通に考えればハイパーインフレになる可能性がある。しかし預金準備率を強力に引き上げたり増税を実施して消費の抑制策を同時に行うならインフレが抑えられる可能性もある。一方、元を刷ると為替市場で投機筋が売り浴びせを仕掛けてきて元が暴落するかもしれん。そうなると国内の消費が増えなくても、輸入価格が急増することで激しいインフレになる可能性もある。いずれにしろ通貨を刷って民間の不良資産を買い取った国は無いので、本当に何が生じるかわからん。面白いから実験して欲しいのじゃ。

(ねこ)

ふにゃー実験なんて無責任だにゃ。変なことすると日本も巻き込まれて大変な事になるにゃ。

(じいちゃん)

ほっほっほ、そうじゃな。確かに安易に実験されても困るが、何もしなければ確実に崩壊することは間違いない。今は問題を先延ばししているだけじゃ。どうせ崩壊すれば日本経済もただでは済まないじゃろう。となれば、普通の国では絶対にできないような政策をやってみて欲しいと思う気持ちもあるのじゃよ。もしそれがうまく行けば、他の国でも同じことが出来るかも知れん。


(引用終わり)

まあ、この様な事が出来るのは、国内的にも対外的にも中国が共産党一党独裁であるからだろう。
だから、西側諸国の経済専門家から言えば、何時、破綻しても不思議ではないと言われている中国経済は破綻しない。

西側諸国が言う破綻とは、金融のシステムのことを言っているのだが、そのルールを無視できるか否かにかかっている。
文中にも出てくるが、中国政府が民間の企業の不良債権を肩代わりしているなら、多くの民間企業は政府に頭が上がらない。
庶民も文句は言えない。

逆に、政府に睨まれると、その企業は瞬時に破たんする。
政府は、その選別権を握っている。
それが共産党独裁の原則。
共産主義の時代も、そうして国中の利権を共産党が握って来たから慣れている。
だから、共産党一党独裁が続く限り、西欧の基準は無視できる、経済の破綻はない。

ただし、大きな問題は隠れている。
まともに努力する企業が借金を抱え政府に肩代わりさせるのは良いとして、それを見越して悪質な企業群がはびこれば、どうなるか。
中国の国民の心の問題が浮き上がってくる。

これが広まれば、中国全体が怠惰を貪る集団になる。
現在は格差が大きく、まだまだ経済的繁栄を求めて多くの国民が四苦八苦している状況。
全体が豊かになれば、まじめに努力しないで世の中を渡る人間が多くなる。
その時、中国は破綻する。
経済ではなく、国民性が破綻する。

メンテ
「金融緩和って何だ 」 ( No.4 )
日時: 2019/02/09 13:08
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:KwNFUM3g

「金融緩和って何だ 」

<金融緩和で景気が良くなるの?>2015.5.28修正

Q:金融緩和ってなんなのにゃ。なんでそんなことするにゃ。

A:金融緩和というのは、日本銀行が現金を発行して世の中のおカネの量を増やすことなんじゃよ。なんでそんなことをするかというと、景気を良くするためなんじゃ。

世の中のおカネを増やして、その結果としてみんなのお給料が増えると、おカネを使う人が増えるじゃろう。そうしておカネを使ってモノ(商品やサービス)を買う人が増えれば景気が良くなるんじゃ。そして、みんながモノをたくさん買うようになれば、企業もたくさん作ろうと思うようになる。たくさん作ればたくさん売れて、儲かるってわけだ。すると、企業でも商店でも、従業員をもっと増やそうとして、人を採用するんだ。すると失業している人が減って就職している人が増える。失業している人が就職して給料をもらえるようになると、もらった給料を使って何かを買おうとするだろう。すると、さらに商品やサービスが売れてもっと景気が良くなる。経済は連鎖反応なんじゃよ。

Q:んにゃ。日本銀行が現金を発行するって、お札をいっぱいいっぱい刷っているのかにゃ?

A:お札は刷っておらんぞ。今は電子的に数字が増えるだけじゃ。

つまり、現代のおカネの多くはコンピューター上にあるのじゃ。ちなみに自分の預金通帳を見てごらん。預金額が書いてあるけど、あの数字と同じ額のお札が銀行に保管されてるかというと、答えはノーじゃ。現代のおカネってのはお札じゃない、コンピューター上の数字じゃ。だから、輪転機なんか回さなくても、日銀が現金を発行する場合は、一瞬で10兆円とかのおカネが出来てしまうわけなんじゃ。ただ、便宜上、日銀が「カネを刷る」というがね。実際には刷っていない。コンピューター内の帳簿に書き込まれるだけじゃ。

<現代の社会は借金に依存している>

A:

ふ〜ん。じゃあ、日銀が増やしたおカネは、そのあと、どうなるの?どうやって社会に流れるの?

Q:

まず日銀が、発行したおカネを民間銀行に渡すんじゃ。どうやって渡すかは、あとから説明する。そして、日銀から受け取ったおカネを、今度は民間銀行が企業や個人に貸し出す。すると、おカネが世の中の誰かのところに行くんじゃ。つまり、おカネというものは、銀行が誰かに貸し出す事で、「貸し出し」として世の中に流れ出すんじゃよ。驚くかも知れんが、本当の話なんじゃよ。調べればすぐにわかる。日銀の発行したおカネは、誰かが民間銀行から借金して初めて世の中に流れ出し、世の中のおカネを増やすんだ。

Q:

それなら、銀行から誰も借金しなかったら、世の中のおカネは増えないのかにゃ。

A:

ほっほっほ。そのとーりじゃ。日銀がおカネを増やしても、借りる人が居なければ世の中のおカネはまったく増えないのじゃ。つまり世の中のおカネは、すべて銀行からの借金でできておるのじゃよ。だから誰も借金しなくなったら、世の中のカネがすべて消えてなくなる。なんか変な気がするが、金融の仕組みから言って、それは間違いないのじゃ。そうなったら経済は成り立たなくなってしまうのじゃ。つまり、今の貨幣制度は「借金することが前提」の貨幣制度なんじゃよ。まず、そこを正しく理解しなきゃ経済の事は何も理解できないのじゃ。今の世の中は、借金なしじゃ成り立たない仕組みなのじゃよ、だから景気を刺激するために銀行からの貸し出しを増やす政策を日銀が行っておる、それが金融緩和政策なのじゃ。

Q:

なんか変な感じだにゃ。私たちの経済は永久に銀行からの借金に依存し続け、永久に銀行へ金利を払い続ける運命なんだにゃ。誰かが借金をしなければ成り立たない経済、その仕組みから決して逃れる事はできないのにゃ。それって良い事なの?

A:

良いとか悪いとかとは別にして、そのような経済システムになっておる。その結果、世の中のおカネを増やせば増やすほど世の中の借金が増える宿命にある。つまり、おカネを増やして景気を良くすれば良くするほど世の中の借金も増えるというわけじゃ。現代の社会は銀行からの借金の上に成り立っとるんじゃよ。それが良いシステムかどうかは、みんなが判断する事じゃ。重要なことは、国民が銀行のシステムについて深く理解することが必要だと言うことじゃ。

→銀行の基本的な仕組み・信用創造についてはこちら

<金融緩和のやりかた>

Q:

金融緩和で世の中のおカネを増やすには、具体的にどうやるのかにゃ?

A:

それは、民間銀行などが保有しておる国債を、日本銀行が買い取ることで行われる。日銀が民間銀行の保有する国債を買い取る事を「量的緩和」というのじゃ。金融緩和にもいくつか種類があるが、現在行われているのはこの量的緩和なのじゃ。

Q:

ふ〜ん、金融緩和にも種類があるのか。ところで国債ってなんにゃの?

A:

国債は、政府の借金の一種じゃ。じゃが普通の借金ではなく、それを「債券」って形にして、誰でも売買できるようにしたのが国債なんじゃ。国債を買っておくと、定期的に利息がもらえて、満期には全額が返済される。民間銀行ってのは、預金を運用するために様々な債券を買って保有しているんじゃよ。国債もその一つで、その利息が銀行の儲けになるわけだ。

Q:

日銀が国債を買うと景気が良くなるって、どういうことにゃ?

A:

その仕組みはこうじゃ。まず、民間銀行がすでに保有している国債を日銀が買い取る。その買った代金を日銀が民間銀行に支払うんじゃが、その時、日銀が現金を発行して、その現金で民間銀行に代金を支払う。支払いのために新たに現金を発行するから「おカネの量が増える」わけじゃな。民間銀行は国債を売って日銀から代金を受け取ったから手持ちの現金が増える。そのおカネを元に企業や個人に貸し付けを行い、世の中に借金としておカネが流れ出す。世の中の借金が増える事で、景気が良くなるって寸法じゃ。カネ=借金じゃからな。

A:

それにしても借金が増えて景気が良くなるって、微妙だにゃ。

Q:

ほっほっほ、まったくそのとおりじゃな。でも、本当の事じゃ。マスコミや識者が「腫れ物にさわるように遠まわしに」話していた事を、はっきり言ったまでの話じゃよ。「信用」という言葉を聴いたことはあるかな?「信用拡大とか、信用創造とか、言うけどな、信用とは「借金」の事を遠まわしにいう言葉じゃ。借金拡大とか、借金創造とか言うと聞こえが悪いからじゃな。カードに表と裏があるように、世の中の全ての事にも表と裏がある。もし、表の理論で問題が解決できなかったとしたら、裏の理論を覗いてみることも必要なんじゃよ。長生きしておると、いろいろ裏の世界が見えてくる。まあ、そういう人間は「変人」扱いされるがな。いずれにしろ、真実は「世の中の借金が増えれば景気が良くなり、世の中の借金が減れば景気が悪くなる」ということじゃ。

A:

ひねくれてるのにゃあ。でもひねくれてるのは世の中の方なのにゃん?

<金融緩和は効かないの?>

Q:

新聞には「日銀が国債を買っても効果は疑問」みたいな記事がいっぱい出てるけど、本当かにゃ。

A:

このあたりは意見が分かれておるようじゃ。しかし量的緩和を開始して以降、現在の経済状況をみると失業率が改善したり、設備投資が増加したり、春闘の賃上げも伸びており、明るい兆しがあることは間違いない。じゃから金融緩和には効果があると言えるじゃろう。しかし予断は許さないと思う。2014年4月の消費税増税の悪影響が続いており、個人消費は低迷したまま先が見通せない。本格的な景気回復は正念場にあると言えるじゃろう。金融緩和だけでは十分な景気回復が達成できないかも知れないのじゃ。

何回も繰り返しになるがな、日銀が民間銀行に供給する現金は、必ず「借金」として世の中に流れ出す。これが問題じゃ。今の日本はデフレ不況に加えて消費税増税の悪影響で、表面上の経済成長率はゼロあるいはマイナスという悲惨な状況にある。こんな状況だから、「借金して事業を拡大しよう」なんて考える企業はなかなか増えない。おまけにマスコミが盛んに「日本は成長しない」「これからは中国市場だ」とか言っておるから、ますますもって「ああ、借金してまで日本に投資しても無駄だな」とみなが信じ込んでおる。そうなると、いくら民間銀行に現金がたくさんあっても、借りる人がいないのじゃから世の中におカネは流れ出さないわけじゃ。だから日銀が国債を買っても効果が薄いんだ。これが「借金に依存する通貨制度」という現代社会の最大の弱点なんじゃよ。


<日銀の国債直接引き受けとは?>

Q:

それじゃあ、日本はもうダメなのかにゃ。景気が悪くなってネコも捨てられてしまうにゃ。

A:

いやいや、そんなことはまったく無いから安心せい。借金に頼らなくても、直接的に世の中のおカネをふやす方法があるんじゃ。それが日銀の「国債引き受け」だ。これは量的緩和とは違って、民間銀行が保有しておる国債を日銀が買い取るのではない。政府が新規に発行した国債を、民間銀行を経ず、直接に日銀が買い取る方法なんじゃ。

Q:

日銀が直接に国債を買うと、何がいいのかにゃ?

A:

日銀が直接に政府から国債を買い取ると、そのおカネは直接に政府に入るわけじゃ。量的緩和の場合は、おカネは民間銀行へ入るから、誰かが銀行に借金をしなければおカネは銀行でストップしてしまうじゃろ。ところが直接引き受けの場合は、おカネは直接政府に入るから、そのおカネを政府が使うことで世の中におカネを直接に流す事ができるって寸法なんじゃ。たとえば、東北の被災地の復興を大規模に行うためにおカネを使ったり、脱原発のための研究開発や自然エネルギー発電施設の建設におカネをつかったりすれば、被災地の人も喜ぶし、雇用が増えて景気も回復する。まさに一石二鳥というわけだな。

Q:

すごいすごいネコにゃあ。すぐに日銀が国債を引きけるのにゃ。

A:

ところがそう簡単にはいかないのじゃよ。いわゆる抵抗勢力が既得権益を守るために必死に抵抗してきておる。こやつらの論点は「そんなことすると、おカネの発行に歯止めが利かなくなってハイパーインフレになる」というものだな。そんなもの法律で上限を規制すれば防止できるんじゃが、彼らに言わせると「一度始めたら歯止めが利かなくなる」のだそうだ。日本は法治国家なんじゃから、法律で政策をコントロールできないなどあり得んがのう。そんなことも出来んのなら法治国家ではないぞ。

Q:

既得権益との戦いなんだにゃ。ところで、日銀が国債を引き受けても、結局は政府が国債を発行するんだから借金することにゃん。国債をこれ以上増やして大丈夫かにゃ。

A:

大丈夫じゃよ、安心せい。なぜなら日銀は政府の銀行だからなんじゃ。確かに日銀の持っている国債には、政府が利息を支払わなければならない。だから政府は日銀に利息を支払う。その利息は日銀の収益になる。日銀は政府の銀行じゃから、日銀の収益は政府に納めなければならないんじゃ。つまり政府の支払った利息は政府に戻ってくる。国債が満期になった場合も大丈夫だ。満期になって政府が日銀に払い戻す際に、再び同額の国債を発行して、日銀がまた引き受けすればよいだけのこと。つまり「借り換え」じゃよ。日銀が国債を直接引き受ける以上は、借り換えをずっと続けられるから、絶対に返済不能な状態にはならないんじゃよ。じゃから財政破綻は絶対に起こらないのじゃよ。

Q:

でも、それって自転車操業にゃ?

A:

ところが、これで世の中のおカネが増えておカネが回り始めると、税収もどんどん増加し始めるんじゃ。すると、国債の発行額をどんどん減らす事ができるようになる。なぜなら、景気が良くなると今まで使われずに貯め込まれていたおカネが動き出すし、企業も借り入れを増やすようになるから、財政はどんどん健全化の方向へ向かうんじゃよ。世の中にはおよそ1000兆円ものおカネがあるんじゃ。

それに、そもそも政府にとって国債は借金なんだが、政府の銀行である日銀にとって国債は貸し付け。同じ政府内部で借金と貸付があるんだから帳簿上は相殺されて、日銀の保有する国債はいくらあっても国の借金にはならないのじゃ。じゃから日銀が政府の国債をどんどん買っても、事実上は国の借金は一円も増えないってわけだ。何が変化したのかといえば、世の中のおカネの量が増えるだけなんだよ。

Q:

日銀引受は、世の中のおカネが増えるだけなのにゃん?

A:

その通り。世の中のおカネが増えたとしても、その結果として経済が活性化してモノがたくさん生産されて、人々に行き渡るようになったほうが人々は幸福じゃ。すると、問題は「そのおカネの用途」と「インフレのコントロール」ということになるのじゃよ。

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