Re: 水道民営化の問題 ( No.1 ) |
- 日時: 2020/06/20 13:10
- 名前: 天橋立の愚痴人間 ID:KwFnbgjI
- これまでは水道の管轄は市区町村単位で進められていました。そのため、自治体ごとに制度や設備、あるいは利用料金にいたるまで内容が異なっています。
水道事業はその公共性の高さゆえ、これまで競合となる民間企業も存在しませんでした。
そのため、人々は居住した地域のルールや設備をそのまま利用していました。
しかし、近年全国的に以下の問題が表面化してきたのです。
水道の老朽化 耐震化が遅れている 人口減少による自治体の脆弱
現在、全国の水道事業者の実に3分の1が、コストが利益を上回っている状態です。いわゆる原価割れ状態ですね。
水道はこれからも必ず人の生活に必要なものなので、経営を安定化させるのは近々の課題とされています。
これらの4つの問題を解決し、安全に水の供給を続けるために水道の基盤を強化する必要がある。と厚生労働省は声明を発表しています。
市区町村単位だけでなく、都道府県、国と連携を取り、料金・サービスの格差是正、経営資源の有効活用・災害発生時の対応力強化が期待されています。
厚生労働省の発表も、民間の意識調査結果もどちらも納得できる要素があるように感じますが、今後水道はどのように変化するのでしょうか?
国としては、料金収入の安定化、再設備による安全性・耐震性の向上・地域格差の縮小を目指しています。
実際に、水道料金の格差問題は深刻視されています。
日本全国の自治体で最も水道料金が安い自治体と、最も高い市区町村では8倍もの差があります。
同じ量を使っても850円ほどの地域もあれば、6,000円以上も請求されるエリアもあるのです。
これには地域ごとの人口や地形も関わるため、人口が少ない地域は1人1人が負担する金額が高くなってしまいます。
この問題を解決するためには、確かにもっと都道府県や国単位で整備を進めることが大切だと言えるでしょう。
日本で水道民営化が広まったら、どんなメリットとデメリットが考えられるでしょうか?
メリット
水道環境の維持 競争が生まれることで市場が盛んになる 運営権売却によって小さな自治体でも売却益が出る 利用者の選択肢が増える 特典やキャンペーンが利用できるかもしれない
デメリット
自治体によってリスクコントロールが異なる 民間企業のため経営の破綻もありうる 最低利用期間(しばり)が発生するかもしれない 料金が変動するかもしれない と、このように水道の民営化にはメリットとデメリットの両方が存在しています。
水道民営化で現在懸念されている問題点について 世界に目を向けてみると、フランス・アメリカ・ドイツなど、多くの国と地域で水道の民営化がされきました。
しかし、失敗に終わった例も多く、料金は高くなったのに水質が悪化して訴訟問題にまで発展した地域もあります。
民営化後再公営化したのは、32ヶ国267にも上ります。
もちろん、水道の民営化自体が悪いわけではありません。 実際にパリ市が行った民営化政策では、契約書に要求の水準が設けられていなかったことから、市場がコントロールされなかったと指摘する声もあります。
この点は日本でも問題視する人が多く、コンセッション方式(民営化)について賛否両論存在します。
契約や監視をすることで民営化に積極的な自治体もあれば、明確に民営化を否定し、コンセッション方式に参加しない自治体の両方があります。
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Re: 水道民営化の問題<民営化の是非を問う ( No.2 ) |
- 日時: 2020/06/20 14:10
- 名前: 天橋立の愚痴人間 ID:KwFnbgjI
- 民営化、民営化と、流行の様に走っている。
電気、電話、鉄道(国鉄)郵便局など、
三公社五現業(さんこうしゃごげんぎょう)とは、公共企業体労働関係法、公共企業体等労働関係法、国営企業労働関係法、国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律、特定独立行政法人等の労働関係に関する法律あるいは特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和23年法律第257号)の適用を受けていたか、あるいは現在も受けている公共企業体及び国の経営する企業の総称である。
公共企業体(三公社)は事業が全て特殊会社に移り、国の経営する企業(五現業)は国有林野事業を除き独立行政法人及び特殊会社に移管された。また、国有林野事業の企業的運営は廃止され、一般会計の事業となった[1]。国の経営する企業から事業を移管された法人の内、現行の行政執行法人の労働関係に関する法律の適用を受けるものは、行政執行法人である独立行政法人国立印刷局及び独立行政法人造幣局である。
なお歴史的には、公共企業体となっている三公社のうち電電公社以外の二つは戦後占領期のGHQによる労働政策・公務員政策の一環として設立されたもので、電電公社についてもマッカーサーの助言により能率の向上を謳って逓信省から分離された電気通信省から再独立したものであり、いずれにしても占領期に起源を持っている。詳細については労働基本権の記事を参照のこと。
>公共企業体(三公社) 中曽根康弘内閣により民営化。
日本専売公社(専売公社) → 日本たばこ産業(JT)、塩事業センター
日本電信電話公社 (電電公社)→ NTTグループ
日本国有鉄道 (国鉄)→ JRグループ、日本国有鉄道清算事業団(1998年(平成10年)10月22日解散)
>国の経営する企業(附帯する事業を含む)(五現業)
郵便、郵便貯金、郵便為替、郵便振替及び簡易生命保険の事業(註) → 日本郵政公社 → 日本郵政(JP)
国有林野事業(国有林野事業特別会計において事務を取り扱う治山事業を含む。) → 国有林野事業の企業的運営廃止。
日本銀行券、紙幣、国債、収入印紙、郵便切手、郵便はがき等の印刷の事業(これに必要な用紙類の製造並びに官報、法令全書等の編集、製造及び発行の事業を含む。) → 行政執行法人たる独立行政法人国立印刷局
造幣事業(賞はい等の製造の事業を含む。) → 行政執行法人たる独立行政法人造幣局
アルコール専売事業 → 新エネルギー・産業技術総合開発機構 → 日本アルコール産業
(引用終わり)
我が国には、もともと三公社・五現業などはなく、上には含まれないが電力事業なども民間で行われていたものです。 これが、戦後GHQの指導によって三公社・五現業のような形になってきました。 これは、国家の公益産業の形態を民主化することが目的でした。
今から思っても、考え方は合理的で、その後の日本の復興にも役立ちました。 しかしながら、日本が復興し、豊かになるとともに、三公社・五現業は親方日の丸を掲げ、己自身の欲望を充足する方向へ走りました。 組織の幹部は、子会社を乱立させ、定年後の天下りを画策し、労働者は怠惰を決め込み待遇改善ばかりを言う様になりました。
このような中で、昭和40年台になると、当時の中曽根内閣は、三公社・五現業の廃止に踏込ました。
要するに民営化の事ですが、
国鉄の民営化の結果は、過疎地域の鉄道の経営を追い詰め、第三セクターを通して地域の住民に負担を強いる結果となっています。
小泉がやった郵政民営化も、同じく過疎地帯の銀行業務を減らし、年金生活者などに不便を強いています。 幸いにも郵便事業は宅配業者が取って代わりきめの細かいサービスを提供しています。
通信事業(電話)の民営化は、効果を生み、NTTに代わるKDI、ソフトバンクなどが現れ、NTT主導による従来の料金体制に風穴を開けています。
他の事業の民営化の状況については省きます。
さて、水道事業の民営化ですが、これは少し話が違ってきます。
上下水道は、人々の生活によって1日たりとも欠かせないものです。 また、この事業で大きな利益は期待できません。 否 悪質な民間業者が出てきて、トンデモない料金を取ることなど絶対に許してはならないのです。
実は水道の民営化は世界中ですでに行われ、その殆どの国で失敗しています(水道料金の高騰と生活苦)。
「世界各地の事例を見ても、公営の水道事業から民営化して成功したところなど、ほとんどありません」と辻谷氏は言う。「その挙句、フランスのパリ市の様に、民営化した水道事業を再び、公営化するという事例が相次いでいます。こうした再公営化は、世界全体で235件にも達しているのです」
(お話)
吉村氏によれば、水道民営化に積極的な宮城県の村井嘉浩知事は、上下水道、工業用水を合わせて官民連携すれば、今後30年間で335〜546億円のコスト削減が見込め、現行体制と比較して「コンセッション方式」の方が総事業費をどれだけ削減できるかを示すVFM(Value for Money)も現在価値換算で166〜386億円という試算を出している。
ただし、水道民営化は決してメリットばかりではない。注意すべきなのは水メジャーと呼ばれる、上下水道事業を扱う国際的な巨大企業の存在だ。1990年代、世界銀行が途上国に対して水道インフラ事業に融資する際、水道民営化の義務づけを推し進めた。米国など先進国でも水道民営化が進んだが、その副作用は大きかった。
「1兆円以上の売り上げと豊富な自己資金を持つ、フランスや英国などの水メジャーが参入したことで、ボリビア、フィリピンのマニラ、インドネシアのジャカルタ、米国のアトランタなどで、水道料金が2〜5倍値上げされました。その上に、水質やサービスの低下が生じて、死者が出て訴訟問題に発展した地域もあります。そのため、2000年から2015年の間に世界37ヵ国で民営化されていた水道235ヵ所が再公営化(民から官へ)に戻りました」
水道料金収入が減っているとはいっても、現状でも料金収入2兆3000億円の市場規模がある日本も、水メジャーに狙われている市場だ。ではなぜ水メジャーが日本市場に注目するのか?2013年4月、米国のCSIS(戦略国際問題研究所)で、麻生太郎副総理が「日本の水道はすべて民営化します」と国際社会に向けて発言したからだ。吉村氏の元には日本の総合商社のみならず、フランスの水メジャーからも問い合わせが来たという。
(引用終わり)
安倍のアホは、同じ民営化でも、やってはならないことに手を出した。 安倍と言うよりも、これは霞が関官僚共の不甲斐なさ、身勝手さを示すもの。
水道のインフラが各地で問題になっていることは事実であろう。 しかし、それを何とかするのが国家の使命であろう。
小さな政府を名目に、自らの責任回避に走る官僚に、なぜ多くの税金をはらわにゃならぬ。 そんな、無能力者、怠け者など首にして、できる人間を雇うべし。
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