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| 1月15日付・読売社説(2) [NHK番組問題]「不可解な『制作現場の自由』論」 公正な放送のために、NHKの上層部が番組の内容を事前にチェックするのは、当然のことではないか。 四年前、国内外の民間団体主催の「女性国際戦犯法廷」を題材に、いわゆる従軍慰安婦問題を取り上げたNHKのチーフ・プロデューサーが記者会見し、放送前日から当日にかけて、放送総局長の指示で、この番組の内容が一部変更されたのは不本意だと訴えた。 日本国と昭和天皇に責任があるとした部分などがカットされたほか、「法廷」に批判的な学者のインタビューが追加されたという。 安倍晋三、中川昭一両代議士がNHK幹部を呼び出し、放送中止を求めたために番組改変を余儀なくされたとし、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とする放送法三条の規定に違反する不正行為であると主張した。 NHKは、放送直前まで内容の検討を続けたが両氏との面会によって番組の内容を変更したという事実はない、と反論している。 当時、官房副長官だった安倍氏は、「NHKから進んで説明に来たのであって、呼びつけた事実はない」と語っている。中川氏も「NHK幹部が来たのは、番組放送終了後」としている。ただし、全体の事実関係には、一部に、依然、不明な点がある。 放送法三条はまた、放送事業者に対し「報道は事実をまげないですること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」なども求めている。 放送局の編集責任者は、現場が制作する番組の内容がこれに反する場合、政治家に指摘されるまでもなく、是正しなければならない。 「女性国際戦犯法廷」では、昭和天皇が「強姦(ごうかん)」の罪などで起訴され、有罪が言い渡された。 このような性格の「法廷」の趣旨に沿った番組が、「制作現場の自由」としてもしそのまま放送されたとすれば、NHKの上層部はあまりに無責任、ということになる。 そもそも従軍慰安婦問題は、戦時勤労動員の女子挺身(ていしん)隊を「慰安婦狩り」だったとして、歴史を偽造するような一部のマスコミや市民グループが偽情報を振りまいたことから、国際社会の誤解を招いた経緯がある。 偏向しないバランスのとれた報道が必要だ。それが、NHKの責務である。 (2005/1/15/01:40 読売新聞) おしまい |
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