Re: 当代世間騙し装置 ( No.161 ) |
- 日時: 2013/04/07 08:33:00
- 名前: 日米通貨刷りまくり競争(2)・・満天下有
- ・・・前項理屈を頭に入れて今回の安倍のミクス、日銀黒田ショックを見れば,超金融緩和すると何故円安になるのかとの疑問が、少しは見えて来ると思います。最初に申しましたように、先週木曜日に黒田日銀ショックと言われる超々金融緩和発表と同時に、中期金利が0.762%から一気に0.43%にまで下がりました。
それと円安とは、どういう関係になるのだと言う疑問は、前項の通り実質金利の方程式によるからです。これまでは米国も度重なる金融緩和で名目金利を下げて来ました。日米の名目金利差が縮じまって来ました。それでも円高傾向は無くならなかった。前述方程式に当てはめて見ると、
米国名目金利3%−物価上昇率(仮に1%として)=実質金利2% 日本名目金利3%−物価上昇率(−1%)=実質金利4%
これでは円の実質購買力が高くて円に世界の通貨が交換される円高傾向は解消されない。 黒田政策発表前では円は92円くらいが、一気に97円まで下がりました。この理屈は、名目金利2.57%(中期指標金利が0.43%下落)−物価上昇率2%(所謂インフレターゲット)=実質金利0.57%
つまり円の購買力が米国より2%も強かったものが、米国より1.43%下がったとみられ円が売られた為です。 我が国名目金利が、何故下がったのか、そこに黒田日銀政策の大きな転換の意味があるのです。これまでの日銀の金融政策は、短期国債の売買を中心にして、短期金融市場でのかじ取りを行っておりました。それは中長期国債を軸に金融政策をやるのは、政府の赤字財政フイアナンスと見なされて、長期では物価安定なる中央銀行としての基本的役目が果たせないからというものでした。故に中長期国債買い入れは発行日銀券以下にするとの「日銀券ルール」を厳守して来た。 今回黒田政策では、その垣根を取り払ってしまい、通常の金融調節を中長期国債で行うとの方針に大転換したのです。所謂日銀ベースマネーで以って金融を緩和するとしたので、従来の財政フアイナンスツールとしてではなく、通常の円供給を中長期国債買い入れでやると大変更したものだから、中長期国債が買われ金利が低下した訳です。
これまでの日銀政策による国債買い入れは、物価や財政悪化を配慮して中長短期と細かく仕訳して行われて来たものが、今回その垣根を取り払ってしまい、国債一本にしてしまった訳です。
実務上の金利と為替の関係の話はここまでにして、やはり一般が気にするのは、では円安で我々の暮らしはどうなるのか、生活は楽になるのか、という疑問と、も一つはより専門家的には、この超金融緩和で財政も良くなるのか、税負担は軽減されるのか、社会保障は安定に向かうのか、さような関心が生活者としての正直な気持ちでしょう・・・
金融論者は、株が上がれば企業も良くなる、円安で輸出が増えるから雇用も増える、さような論法をよく見かけるけど、輸出と言っても円安で輸出額が増えても、数量は逆に減っているのです。ここでも名目なる用語を使うなら、額としての名目輸出は増えても、数量としての実質輸出は減少しているのです。
この現象は、既に海外現地生産が既に定着していること、及び海外現地国でも、需要が伸びていないと言う、二つの側面があるからでしょう。小泉時代の構造改革でも、円は101円から124円まで下落し、名目輸出額は10%増えても、日銀統計で見る限り現地通貨ベースで99.7で殆ど増加していなかった。
仮に名目でも良いから輸出企業の売り上げが増えて、従業員の所得が増えたとしても、それは一時金ボーナスを増やすだけで、国民所得全体に占める割合は僅か4%、製造業全体として5%ボーナスが増えても、国民所得全体では0.2%の増加にしかならない。
円安で基本所得である月給全体が増加しない限り、その恩恵は無いということになり、むしろ輸入に頼る我が国経済の基本的な構造面から言えば、物価上昇で実質所得はマイナスになって来る・・・。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.162 ) |
- 日時: 2013/04/07 13:27:29
- 名前: 日米通貨刷りまくり競争(3)・・満天下有
- 円安、輸出企業のメリットが言われる、しかし我が国では、輸出恩恵よりも輸入負担の方がはるかに大きい。
言わずと知れた、第一次エネルギー源を殆ど輸入に頼っているからだ。輸出入に使われる通貨も、輸出ではドル建てが52%、円建ては28%、これに対し輸入でのドル建ては73%、円建て23%で、ドルを買って決済する。円安によるコスト負担は、円安に比例して増加して行く。
甘利経済再生担当大臣はいつか、エネルギー源のコスト低減は外交でおぎなうと言ってたが、要するに安く売ってくれと外交に頼むと言う訳だ。この感覚では自主開発なる独立心が全く感じられない。愛知県沖で世界初のメタンガス採取に成功したとの記事にも、それをどこまで現実のものにするのか、ヌカ喜びに終わってしまう。
開発には相当な投資を要することは、想像できる。だが、全ての国債を買い上げ、*日銀ベースマネー昨年度残高138兆円を2年間で倍にすると言う超々金融緩和を行うのだから、ただ市場にオカネをばら撒くのではなく、国家100年の戦略をも同時に示すべきだ・・・もっともこれは、政府の経済政策の問題であって、日銀の責任ではない。長期国債をも金融緩和の対象とするなら、長期に亘るであろう独自エネルギー源の開発がターゲットに入って当然なのに、ただ2%くらいのインフレ喚起を目標にするだけでは、大風呂敷の割には政策は、チンマイものだ・・・
(*日銀ベースマネー:日銀がどれだけ円を供給したかの数値。何の裏付けも無い紙幣を発行する中央銀行にとっては、発行通貨は負債として表示される。日銀貸借対照の負債項目に計上される日銀券発行残高+当座預金勘定がそれである。当座預金勘定とは、日銀が市中に円を供給する際、法定準備金として一定の割合で資金供給先から積立させるオカネのこと。この額は結果としてどれくらい市中に金融緩和を行ったかの目安となる。)
そしてリスク資産である不動産関連証券を、中央銀行が年300億円買い上げると言う・・・ここから予想される結果は、ただ金融市場のバブルを喚起するだけの金融緩和に見えて来る。株式市場における不動産関連株式で、1カ月で5〜10倍にも跳ね上がった銘柄はゴロゴロある。これで一部のプロ投機筋が巨額の利益を上げて、はてさて国家全体として経済力が浮揚するものなのか・・・
国民の一部は既に浮かれ出している、株式先行きの評価によく用いられる1株当たりの予想利益に対し、現実の株価が何倍に買われているかの株価収益率指標にPERが用いられる。例えば来期の1株当たりの利益は500円として、現在の株価が1,000円とするとPERは20倍に買われていると言う訳だ。ところが熱狂バブル相場になって来ると、これが50倍、100倍にまで買われ出す。
あのホリエモン事件が起こった頃には、新興市場で初上場の株式が、将来収益予想1株当たり1,000円くらいのものが、100万円の株価を付けるものが続出。PERで言えば1,000倍にも買われていた・・・そしてバブルがはじけて株価は1/100以下に大暴落、ケガ人が続出し銀行のモラルハザードが問われたものである。遠い昔の話ではない、つい10年前の頃である。
そして今回の超金融緩和である。過去の失敗を踏まえて先ず、国民全体の基礎経済力を浮揚させる何かが入っていると期待したが、何も無い、担当大臣ともあろうものが、資源開発でなく、安く売って貰うことを経済政策外交の柱にしおる。まるで子供の使いみたいなものである。
・・・最後に、国民にとって最大の関心事である金融緩和、円安によって生活が楽になるのかという疑問が残る・・・。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.163 ) |
- 日時: 2013/04/07 15:22:14
- 名前: イントィッション
- おっちゃん、アベノミクスがいかに、アベノリスクであるか詳細に説明いただきまして、ありがとうございます。。。
↓ 白川総裁の日銀退席直前のお話です。。。
ttps://www.youtube.com/watch?v=NYSs7-yp4jM
もうひとつ、浜先生のアベノミクスは浦島太郎だ! ↓ ttp://www.youtube.com/watch?v=2CInH3eo10k
経済成長をしてしまった後の最高先進国の日本の経済を、安定させていくことのほうがむしろ重要で、経済成長率をなんで今の日本の状況で上げることにばかり着目するのか? ただ安倍政権の政府のためだけの金融緩和に過ぎないのではないか! 質が良くなければ、生活は困窮するばかり!!!
本当に、その通りですね〜。。。
おっちゃんの説明と、この二人の専門家の話が一番筋道の通った現実性を帯びていますね。。。
これから本当に大変な事態が起こることもあることを考えなければなりませんね〜。。。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.164 ) |
- 日時: 2013/04/07 16:44:28
- 名前: 天橋立の愚痴人間
- 満天下さん、詳しい説明を有難うございました。
詳しいと言って、なかなか実感として理解が難しいです。 少なくとも実態経済が、満天下さんが言われるように動いているなら、まだ理解できるのですが。
金融の専門家と言われている連中が、デイバリー取引、宜しく動かしているような環境では、金融資本同士のマネーゲームであり、其れに国民の税金を使い、被害は国民に押し付け誰かが利ざやを狙っているだけでしょう。
それなのに、アベのミクスが代表するように、如何にも国民のためと言う名分を使います。 日銀総裁の発言で、円が乱高下しても、一般庶民には輸入品が高くなるか、安くなるかの違いであり、収入、所謂雇用には結びつきません。
ワーキングプアーと呼ばれる階層は、すでに1500万人は超えているのではないでしょうか。 6300万人の就労者で考えれば、1/4に近い数字です。
失業者も、ワーキングプアーも増えることはあっても減ることはありません。 まだ、何とか食いつないでいるのですが、将来は、それも出来なくなるでしょう。
そういう、根本的な事に対する施策を考えることなく、金利などで通貨の調整をすれば、景気対策と言う馬鹿なことを何十年と繰り返しています。
バブルがはじけた頃は、まだ多くの人が、いずれ景気が回復すると思っていました。 30〜50年前は、確かに景気は循環していました。 私は、バブル崩壊以後は、もう、そんなことはないと言っていましたが、多くの人は、その意味が良く解りませんでした。
現在は違います。多くの人は、このままであるだろうと思っています。 政治、経済界の上層部の欺瞞が、結局は抜き差しならない事態を招くというのに、未だに、無責任に目先のことより考えません。
もう、下層と上層の闘争と言う図式以外に展開は考えられないでしょうね。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.165 ) |
- 日時: 2013/04/07 17:51:12
- 名前: 安倍のアホミクス・・満天下有人
- イントちゃん、前白川総裁は辞任の時に、日銀とて経済浮揚に貢献すべく政策を慎重にやって来た、しかし最後はやはり政府による立体的な経済政策が示されない限り、通貨発行当局として出来る事には限りがあると、安倍を精一杯非難していましたね・・・
世界は、驚いたというのが概ねの論調で、アメリカだけがよくやったと称賛、これはドル国債との関係、そしてTPPを控えておりますから当然の批評でしょう。英国筋はフイアイナンシャルタイムズに代表されるように、これで中央銀行までがバブルに加担することになったと、正当な論評をしております。さすが、南海泡沫事件を随分昔に経験しただけあって、論評に歴史の重みを感じさせるものがあります。
さて安倍のチャンポンミクス、何故チャンポンになっているかというと、あの頭では何も分かっていなく、マネタリストによる誘導だけで政策をやってるものですから、チグハグチャンポンになってしまうのでしょう。憲法改正論議での国会答弁でも、憲法改正を言う割には、憲法を深く勉強していない実態が、シドロモドロの答弁になって現れていましたね・・・最後は質問者を恫喝するのに精一杯の有り様でした。
安倍のチャンポンミクスの欠陥は、では超金融緩和によって、国民経済、国民生活がどう変わるのかの説明と自信が全く感じられません。結局、儲かっている企業にボーナスをはずめ、そんな程度でしょう・・・所得反映でも、日本企業が世界で一番遅いようです。
先週、経済誌のダイヤモンド誌を立ち読みしたら、内閣府の統計が目に留まりました。我が国の場合、企業が利益拡大しても賃金に反映されていない。逆に低下している。企業利益は内閣府の国民経済計算で、営業余剰項目として表示されますが、それによると約130兆円の利益内部留保があるのに、賃金への反映率は前年比マイナスになっている。 リストラとなるとアメリカなどは、さっさとやってしまうようですが、それでも企業利益が前年比プラスになっておれば翌年の賃金もそれに応じてアップしている。英独仏もキチッと翌年には反映されているようです。勿論これは個別企業の話ですが・・・それに比べると日本は・・・やはりケチなのが我が民族の気質かも知れません(笑)。甘利経済再生大臣など、企業に競走力をつけるのが第一で、そうなって初めて賃金は上がるものだと、アホ言うのもいい加減にせい!需要減退が最大の阻害要因になっていることも分からずして、超金融緩和で景気が良くなるなどと、未だに寝言みたいな頭脳しかないのです。
まあ、これまでのバブル崩壊の苦い経験で、国民全体が警戒心を持って超金融緩和を見ることが出来れば、とどまる所を知らないバブルの怖さへの、せめてもの歯止めになればと思うしかありませんね・・・
・・・あのヒトラーの最後の12日間のように、自分は国民に望んだことは何も無い、むしろ国民が私に望んだことだから、最後に至って国民のことを考える必要は毛頭ない、もし我が国の施政者達もそう思っているとしたら、そして国民が尚鈍感なれば、何も言う事も無しです。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.166 ) |
- 日時: 2013/04/07 18:17:06
- 名前: 満天下有人
- 橋立さん、ご意見の通りだと思います。一部金融投機筋が喜んだだけでしょう。雇用全体に対する視点は何もありません。
それよりもリスクが一層高まることでしょう。そして個別業界だけに絞って見ても、TPP参加で更に、ひたすら下がる賃金傾向が顕著になり、これにバブルがはじけると、全体経済として前二回の時よりもっと悲惨な状態になるとの、予感が走ります。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.167 ) |
- 日時: 2013/04/08 20:01:41
- 名前: 北の国から
- 満天下有人さん。
わからないことがあります。初歩的で幼稚な質問のような気もしますが。
アメリカを中心とするケタはずれに稼ぐ投機集団についてです。 彼らの金稼ぎの動機となっているのは一体どんなことなのでしょうか。そして彼らはその稼いだ 金で何をしようとしているのでしょうか。 もちろん彼らが、超豪華な生活を目指しているとも思えないし、イスラエルに多額送金してい るわけでもなさそうです。いくつかの国をコントロールするためなのでしょうか。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.168 ) |
- 日時: 2013/04/09 07:41:00
- 名前: 金融資本と政治・・・満天下有人
- 北の国」さん、お早うございます。昨夜は所用の為、遅レスになりました。
投機集団について二つの側面から、私個人の勝手な解釈を試みてみました。一つは、集団であってもその礎を築いた個人の側面からの考察です。個人であっても長い歴史の中では組織体として、つまり金融資本としてその行動を拡大して来た訳ですが、その精神は創業時の個人のそれが脈打っています。
個人と組織の哲学は、結局重なって居る訳ですが、投機「家」と言う場合は、個人の投機家というニュアンスになり、その点で言うなればやはり、現在ではジョージ・ソロスとジム・ロジャースが代表格でしょうね、、かれらも集団「機関」としてはクオンタム・フアンドなる組織体をベースに投機活動を繰り広げましたが(現在も)、やはり個人の哲学が土台になっていることでしょう。
組織体としての代表格はゴールドマンサックスやJPモルガンになりますが、ここでは創業者個人の哲学が脈打って、基本面では個人の哲学が土台になって組織体としての理念になっているのではと思います。
個人がどうして投機によって何故巨額の利益を得ようとするのか、彼らと会ったこともないし、何が動機であるかは伺い知ることはできません・・・あくまでも私の勝手な推測ですが、組織体としては創業時の個人、投機「家」を個人として眺める時、どうして不要なまでの巨額の利益を得ようとするのか、その動機を詮索する時、ほんの一部ではありますが、彼らの生い立ちや経験を調べて見ると、なるほどな、そういう気持ちになったのも頷ける部分があるなと思うのです。
ジョージ・ソロスはハンガリー生まれのユダヤ人ですね、過去のスレッドでロスチャイルドの歴史を何度も書きましたが、遡れば旧約聖書にまでたどり着き、国が無くなったデイアスポラの心情が、脈々と彼ら民族の中に流れ、生き残るにはオカネしかないとの気持ちになってしまったのでしょう。
そのうち、摩訶不思議な通貨の本質を哲学的に掌握して、その延長線で通貨によって国家をも支配できるとの結論を得たのだと思います。国家を失くした者たちが、皮肉にも国家の本質をも手中にして、世界を支配するツールは何か、それは通貨であり、それによって国家を支配できる、それによって自己生存を守る事が出来ると・・・
通貨そのものの巨大蓄積は、その事自体が当初は目的では無かったのではないか、排斥される自分たちが生き延びる手段としてのものであったと思うのです。我々狭い範囲での庶民とて、地獄の沙汰もカネ次第と言われるように、ましてや彼らがおかれた環境では、我々の想像を超える生き延びる手段への執着はすごいものであったと思います。
1764年にロスチャイルド商会を設立した初代アムシェル・ロスイチャイルドも、フランクフルトのユダヤ人ゲットーに押し込まれている時、ヘッセン選帝侯・ウイルヘルム9世の知己を得ます。当時のドイツは200くらいの自由都市に分かれていて、通貨もそれぞれに分かれ、交流するにはそれぞれの通貨の交換仲立ち業を要したのですが、200もの違う通貨は、それぞれに歴史がある珍しいもので、それを集めるのが当時の上流社会での貴族たちの趣味であり、その仲立ち商売に目をつけたのがアムシェル。生き延びる手段で始めた古銭商売がウイルヘルム9世の奥方の目に留まり、権力者との交流を通じて、権力の何たるかを知ったと思うのです。そして通貨金融が権力者の裏を握る最有力な手段であると・・・
それを国家サイズの規模にしたのが、これもあちこちのスレッドに分けて書きましたが、英イングランド銀行の支配であり(現在の国債発行による国家財政の原型)、米FRBの創設でした。初代の哲学は、権力は力である。それを支配する力は通貨である。国家の富を形成する者は群衆である。よって国家を通じての支配対象は群衆である。群集心理を利用して大衆に対する支配を確立せねばならない・・・まあ、このような哲学であったようです。
ただ悲惨な目にあった同胞に対する救済は熱心であったようです。シンドラーのリストなる映画もありましたが、「食糧自給は国家安全である」スレッドでも何回かに分けて書きましたけど、南米に於ける食糧支配でも、ユダヤ難民5千人も職につかせていました。
話を戻して、投機家、投機組織における個人の生い立ち、哲学面で見ますと、ジム・ロジャースは少年時代をピーナッツ売りで過ごし、エール大、オックスフード大を卒業、コロンビア大で教授も務めるなどの秀才で、学生時代にアルバイトでウール街に行ってから、通貨に痛く興味を抱いて投資を開始。彼の哲学は、あれこれ喋って馬鹿に思わるよりも、黙って馬鹿に思われることの方が良い、そういう事にあるようで、政治への介入も口を閉ざしているのでしょう・・・早い時期に中国時代がやって来る、子供や孫に中国語教えなさいと、ことある毎に発言したのが有名で、これも政治感から出たものでしょう。
ジョージ・ソロスは、英ポンド危機をいち早く感じ取り、巨額のポンド売りで巨財をなしたことは有名ですね・・・深い国際関係を持ち、ロシア・エリツイン大統領に1億ドルだったか、巨額の資金を提供して大統領にさせておりました。しかし、ロンドン大の卒論で、「認識の重荷」ヲテーマにしたように、哲学者の一面も持っているようです。
今や世界最大の投機機関筋となったゴールドマンサックスを見ても、最初は貧しい牛飼いの息子で、力はやはりオカネだと思い、マンハッタンに出て片隅の地下室で泥水が浸水すような狭い事務所で、文字通り泥水を浴びながら手形割引の商売を始め、やはり政治に食い込まないとダメだと悟ったようで、後にルービンやポールソンなどの財務長官を輩出しておりますね、金融工学を産みだしマネタリストの名を馳せるフリ−ドマンは、ゴールドマンサックスと大きな関係を持っています・・・ここも大きな力を持つようになったのは、ロンドンロスチャイルドに取引を許されてからです。
ユダヤ系ではありませんが、アメリカ最大の財閥と言われたモルガン、現在のJPモルガン・・・創業者のジョージ・ピーボデイも10歳の時に父親を亡くし苦労が絶えない少年時代を送っております。ここが政治に介入するようになったのは、ロンドンでロスチャイルドとの取引が認められて以来です。モルガン・グレンヘルの社名、そのグレンヘル家が、二代に亘って英イングランド銀行総裁を務め、ロスチャイルド家と閨閥関係を持っていたことによります。
今や大金融資本のなすがままに動かされる政治、戦争もそうですがTPPにも至る政治の支配、錯綜する個別の関係はあちこちのスレッドで何十回か書きましたので、1ページに纏めることは出来ませんが、結局のところ、結果として巨財を築いたことの当初の目的は、生き延びる為に政治を支配する、それがオカネであるとの哲学が軸になったから、なっているからではないかと思います。
北の国さんが言われる<・・・イスラエルに多額送金しているわけでもなさそうです。いくつかの国をコントロールするためなのでしょうか。>・・・その後段が正にそれだと思います。
前段のイスラエルに送金しているわけでもなさそうだ、との感触は、複雑な送金ルートによりますから、一般には分からないと言うだけのことでしょう。投機集団が直接やるのではなく、全て「イスラエルロビー」を通じて行われている筈です。紙面と時間がありませんのでおおまかにだけ紹介しますが、最大のものは、米国イスラエル広報委員会・AIPACです。他にも米国ユダヤ人会議、米国シオニスト協会、イスラエル政策フオーラム、全米ユダヤ人名誉棄損防止同盟・ADL(悪名高い前議長・ブロンフマンなど指一本で民主党を動かしてしまいます)・・・等々、80以上もの圧力団体があります。投機筋はそこへ献金することで、間接的に送金している訳です。これに軍事産業が加わります。
オバマも大統領選では、イスラエルへの軍事支援はしないと言ってたのが、先月あっさり軍門に下ってしまいました。前国務長官ヒラリーなど、選挙時に真っ先に挨拶に行ったのが、上記AIPACです。
最後にリピートしましょう、18世紀ロスチャイルドの哲学・・・「権力は力である。それを支配する力は通貨である。国家の富を形成する者は群衆である。よって国家を通じての支配対象は群衆である。群集心理を利用して大衆に対する支配を確立せねばならない」・・・。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.169 ) |
- 日時: 2013/04/09 09:04:12
- 名前: 北の国から
- 満天下有人さん。
いつもながら、さっそくにご丁寧な説明、ほんとうにありがとうございます。
社会のどこにでもあるようなこと、どこの国の街のかたすみでもあるできごとが、 「お金こそ力」という強固な哲学を作ったのですね。 共鳴はできませんが、理解はできるような気がします。
しかも、創設時期の人たちをはじめ、強力な意志力、卓越した頭脳とともに、た ぶん民族的な結束の強さと、ネットワークに独特のものがあったし、集団としての 強力な大義もきわめて明瞭だったのでしょう。 とても、生半可な我が日本の政治力など、太刀打ちできるはずもありませんね。
システムとして機能、稼働している彼らに向かって「説得」を試みるのは無理だ としても、「本来、人間社会は、社会的弱者もふくめて助け合うもの」とか「安心、 平和と豊かさは、地球のすべての人々に得られるように歴史は進んでいくもの」と か言ってみたところで「苦労知らずが、何甘っちょろいこといっているんだ」と一 笑に付されるか、無視されるのでしょう。
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Re: 当代世間騙し装置 ( No.170 ) |
- 日時: 2013/04/09 16:32:37
- 名前: 金融資本と政治・・・満天下有人
- キリスト教圏VSイスラム圏のせめぎ合いの中にあって、極東の一島国がどうこう出来るものではありませんね。
何だか北が明日ミサイルを発射させるかも知れないとの韓国筋の情報で、市場もブレているようですが、発射させた方がこちらも目が醒めるかも知れません(笑)。
そうなっても欧米は、自国への跳ね返りの度合いを基準にしてしか動かないでしょう。日本守るべしの意思では動かないでしょう。米隷属の日本の方が、より先細りになると、北にまでバカにされる有り様です。別に楯突く必要などありませんが、しかし積極的に下僕になる必要は更にありません。
前回のレスで、紙幣誘導論者のフリードマンは、ゴールドマンサックスの金融理論の指南役であると申しましたが、今回の安倍のミクスにせよ、彼らの実験場にされているようなものです。
真の独立とは、軍事力で独立するとか、そのようなものでは無い筈です。精神の独立と、それを支える独立した理論を待たなければならないと思うのですが、それがどうしても出来ないのですね・・・相手の言うがままです。
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